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2006年1月 1日 (日)

コラム「中之島」

▼先ごろ、自民党の新憲法草案の前文の骨格が明らかになった。「国を愛する国民の努力によって国の独立を守る」だそうだ。筆者の伯母は、終戦時、国民学校4年生で、毎日「愛国」を教え込まれていたという。町や村では、「愛国婦人会」の女性が千人針を縫って出征兵士にささげ、児童は「愛国行進曲」を歌って見送った。すべて「愛国」一色だったそうだ

▼政府の戦争政策に疑問を持つ人々は、国を愛さない非国民だとして、憲兵や特高警察に引っ捕らえられ、拷問を受けた。「国を愛する」言葉としては一見美しい。だが、戦前は時の為政者・軍部に悪用され「政策に盲目的に奉仕する」と同義語だった

▼さらに草案前文の「国民の努力」とは、福祉・医療制度の改悪や、増税攻勢などの「痛みに耐えて」、徴兵制を施行して、自衛隊を国軍として承認せよということか?そんな話はきっぱりお断りだ。どこの国の人でも自分の国が憎い人はいない。憎くはないが政治や政策に反対する人は当然いるはず。そういう人々の声が国の間違いを是正し、国を救い、「独立」を確保できるのでは。日米安保条約に縛られ、アメリカ追随の自民党に「愛国」「独立」を説かれたくない

▼戦争を体験した伯母たちは、もう「愛国」はたくさんや、二度と「愛国」に惑わされたらアカンと言う。


コラム「中之島」
【 大阪市労組 第333号-2006年1月1・15日合併号より 】

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