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2006年3月20日 (月)

「給与構造改革」「査定給」がふきとばす 夢とやる気と生涯設計

 05人事院勧告に示された「給与構造改革」は50年ぶりの大きな見直しです。そして市当局は、この「給与構造改革」と連動する「人事評価制度」を管理運営事項として労使合抜きに強行しようとしています。これが大阪市に持ち込まれれば、職員の将来にかかわる大問題です。なかでも大きな影響を受けるのが、今後を担う10~30歳代の若手職員です。実に3000万円を超える生涯賃金の損失となります。賃金問題は労働者の労働条件の根幹をなすものです。労使での十分な協議こそが必要です。

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ILOからも指弾され 大阪市の常識は世界の非常識
「査定給」の制度は労使協議必要なし

■給料決める「制度」をつくるのは当局の勝手?!

 市当局は、「給与構造改革」をすすめるため「人事評価制度」「目標管理制度」を06年度から無理やり実施しようとしています。しかも、「人事評価制度」「目標管理制度」については「労働組合と協議するテーマではない」として、一方的に作業をすすめています。
 当局は、この「評価制度」に基づく上司の採点=「評価」によって、職員の翌年の給料がどれほどアップするのか、ダウンさせるのかを連動させようとしています。まさに職員の賃金・労働条件を決定づける「制度」の一大変更であり、職員には自らの給料を決める制度を知る権利があります。情報公開はもちろんのこと労使協議は当然のことです。

■「住民いじめ」の「成果」を競わせるつもり?!

「給与構造改革」は、公務員賃金の大幅削減をめざす小泉内閣によって強引にすすめられ、憲法改悪とリンクした「戦争に協力する公務員づくり」をねらったものです。
総務省は、国での強行実施を踏まえ、大阪市をはじめ各都市に「起債制限」もチラつかせた強い圧力を加えています。現在の給料表をマイナス5%から最大7%も削減するだけでなく、「成果主義」による昇給システムの大改悪です。民間企業で真っ先に「成果主義」を導入した富士通では上司と部下の刃傷沙汰が起こるなど、矛盾は早くから表面化しています。私たちに「住民いじめ」の「成果」を競わせることは許せません。

■世界の常識に沿って、労使協議と職員への情報公開を!

日本に対して「スト権を付与すべき」と勧告したILO理事会(03年6月20日)は、団体交渉権・管理運営事項についても日本政府に対して「公務における交渉事項の範囲について労働組合と意味のある対話」をすることを求めています。
団体交渉権の制約を受ける範囲を、スト権と同様に極めて限定した範囲であると述べた上で、「交渉の範囲について」全労連・連合双方から、「交渉から除外される事項があまりにも広範囲である」との意見を受けて、政府に「労働組合との対話」を要請しています。世界の常識は「管理運営事項」を振りかざす政府や大阪市の主張を指弾しているのです。

「給与構造改革」「査定給」がふきとばす 夢とやる気と生涯設計
【 大阪市労組 第335号-2006年3月8日号より 】

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これだけかかる!ごくふつうの人生・・・生涯生活費3億500万円

夫婦と子ども2人の生涯生活費は3億500万円!!(下図想定)そんなにかかる生涯生活費なのに、査定給が導入されれば新規採用からずっとヒラのままだと3000万円近い損失に!!これではマイホームどころか結婚して生活していくことも困難に。そんな制度に耐えられますか?

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■上司の顔色をうかがい チームワークは失われ職場はバラバラに

 成果主義賃金は、民間でも破綻しており、人事院も「評価制度は、成果が数字に表れにくいという公務の特性や、チームワークが重視される職場風土の下で、職員を評価するシステムや技法が十分に定着していない」としています。チームで仕事をしたり、5年・10年先を見通した仕事など、私たちの働き方になじまないもので、市民サービスの低下につながります。

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■評価基準によっては新たな差別や分断が

大阪市は、これまでの「勤務評定制度」を廃止して、新たな「人事評価制度」を導入し、その評価結果で各職員の昇給を査定しようとしています。

これまでの勤評制度でも、その評価により昇任・昇格が左右され恣意的な「差別」に利用されてきました。その問題点の検証や総括もせず、新たな「評価制度」により査定給で昇給まで差をつけようというものです。

絶対評価では、AやBといった優秀な職員ばかりだという評価もあり得ますが、査定給では人件費総額は決まっているので、相対評価を持ち込むことになります。

誰かがAの評価なら誰かが必ずEの評価となるのです。これでは市民の立場に立ち市民の相談に耳を貸す職員は処理件数が少なく能率が上がらないとして平均以下の評価を付けられることになり、市や上司の方針に沿ったいいなりの職員ばかりが評価されかねません。


■導入には充分な職場論議と労使協議が不可避

客観性、公平・公正性、納得性のある「人事評価制度」の導入をこの4月にも行いたいとする大阪市当局ですが、「管理運営事項」だとして給与制度と連動する「人事評価制度」についての職場論議や労使協議を行う姿勢はありません。市労組は、賃金・労働条件にかかわる重要な課題であり、導入にあたっては充分な職場論議と労使協議を求め、市当局の使用者としての説明責任を追及していきます。


■「給与構造改革」時代の流れだから仕方ないってあきらめられますか?

 「査定昇給」が持ちこまれればほとんどの職員の給料は下がることになります。しかも青年層ほどその影響は大きいものとなります。いくら働いても給料が上がらないのではやりがいや働きがいもなくしてしまいます。繰り返される公務員バッシングの中、今は時代の流れだから仕方がないとあきらめられますか?

小泉内閣は「官から民へ」「小さな政府・自治体」づくりをすすめ公務員減らしと国民負担を押し付けてきています。私たちの将来のやめ、家族の生活のため、同僚のため、住民生活を守る自治体労働者としての仕事のやりがいや誇りを守るため断固たたかいましょう!

これだけかかる!ごくふつうの人生・・・生涯生活費3億500万円
【 大阪市労組 第335号-2006年3月8日号より 】

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「給与構造改革」の狙い

1.国民に生活悪化と「戦争協力」おしつける公務員づくり

 小泉内閣は、医療改悪をはじめとした社会保障の大改悪、消費税増税も視野に入れた庶民大増税を国民に押し付けようとしています。同時に、アメリカと財界の要請に応えた憲法改悪で、日本を「戦争する国」に変えようとしています。その障害となっている民主的な公務員を「国いいなり」の公務員に変えようと狙っています。


2.ナショナルスタンダード(社会的な基準)としての公務員賃金の破壊

 そもそも公務員の賃金制度は、標準生計費をもとに、仕事の熟練による賃金上昇を体系としたものです。そして地域の民間企業における賃金体系の参考とされてきました。この公務員賃金制度を破壊すれば、民間ですすめられている「年収300万円以下の労働者」づくりがいっそうすすめられることになります。つまり、官民全ての労働者の賃金切り下げが狙われているのです。


3.「構造改革」すすめる公務員づくり

 小泉内閣は「官から民へ」のスローガンのもとに、住民のくらしを守る自治体の役割を放棄し、50兆円といわれる公務を民間市場に解放する「構造改革」を自治体に持ち込み、推進しようとしています。そのために「集中改革プラン」の策定・公表も押し付けてきています。給与構造改革で、住民本位でなく「国いいなり」に構造改革を推進する公務員づくりが狙われているのです。

「給与構造改革」の狙い
【 大阪市労組 第335号-2006年3月8日号より 】

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コラム「中之島」

▼税の重さを痛感する時期だ。政府は、1991年以来、財界とアメリカの強い要請を受けて、年間50兆円規模の公共事業を乱発してきた。このツケが、現在の770兆円もの国と地方の大きな借金となっている。これを国民の負担でのりきろうとしているのだ

▼「定率減税」は、99年、景気の悪化を受けて、大資本家・大企業への大減税と「3点セット」で実施された。しかし、今回、空前の利益をあげている大企業や大資本家への減税はそのままに、一向に暮らしのよくならない庶民にかかわる「定率減税」だけを廃止するというきわめて象徴的に問題があらわれた

▼増税の柱となる消費税は、1%上げれば「安定的」に、2兆4千億円が入ってくる「打ち出の小づち」のような税金。大企業は価格にすべて転嫁できて負担は実質ゼロ。国民は広くみんなから徴収される。まさに「新自由主義」「弱肉強食」を絵に書いたような税金だ

▼政府と財界は「社会保障の充実のため」などと意図的な宣伝を広げている。しかし、消費税をめぐっては、これまですべての政権が退陣に追い込まれてきた。今回の「定率減税」の廃止をめぐって、経済団体からも景気への影響を懸念する声が広がっている。私たちは、増税反対のたたかいをすすめ、悪政に対する社会的反撃の国民的大運動をとりくみたい。

コラム「中之島」
【 大阪市労組 第335号-2006年3月8日号より 】

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大型開発を見直し市民のくらし優先に

 大阪市議会本会議が開会された3月1日、大阪市役所前の淀屋橋で、「黙ってられんわ市民のつどい実行委員会」の昼休み宣伝行動が行われました。

Yodoyabashi_senden_300px  大阪市の關市長は、2月21日に平成18年度予算案を発表し、「市民からの信頼回復をはかるとともに、『身の丈』に応じた行財政運営をめざして、真に必要なものをより厳しく精査しました」と延べました。しかしその中身は、市民生活に直接悪影響を与えるものとなっています。国保料金の低所得者世帯での値上げや新婚世帯向け家賃補助の引下げ、上下水道料金・市営交通料金の(生保世帯)福祉措置の廃止、粗大ゴミの有料化や介護保険料の引き上げなど、市民のくらしにさらに追い討ちをかけるものとなっています。

 この日はあいにくの雨空となりましたが、お昼休みのサラリーマンや市民に「くらし・福祉・教育を充実させる大阪市予算を実現しよう」と道行く人に呼びかけながらビラを手渡しました。

 また宣伝カーからは大阪社会保障協議会や生活と健康を守る会からの訴えに続き、大阪市労組の成瀬委員長も「小泉直下型の構造改革が、いま大阪市で行われようとしている。福祉や教育など市民生活につながるところがばっさり切り捨てられようとしている。こうした市民いじめの市政を許さないためにも、いまこそ市民と共同のとりくみをすすめて行く時だ」と訴えました。

大型開発を見直し市民のくらし優先に
【 大阪市労組 第335号-2006年3月8日号より 】

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憲法制定60年という節目にふさわしい06国民春闘を

 大阪市労組は、2月14日にヴィアーレ大阪・ヴィアーレホールで第32回臨時大会を開催し、2006年春闘方針を確立しました。

Taikai02_300px 冒頭あいさつにたった成瀬明彦委員長は、「当局による時間内組合活動への攻撃により、結成以来始めての夜間の開催となった。いま大阪市では關マニフェストをもとに人員削減や人件費の削減、NPM行革など市民や職員へ痛みを押しつける改革がすすめられようとしている。いまこそ市民との共同を広げるチャンスだ。06春闘では市労組こそが市民の守りてであるという組合結成時の原点に返ってのたたかいを構築しよう」と強調しました。

 06国民春闘は、政府・財界が描く07年を目途にした「改憲・大増税」の総仕上げの路線と真正面から対決する春闘であると強調し、すべてのたたかいの要に「憲法を守り、生かす大運動」をしっかり位置付けて06国民春闘をたたかっていくとする春闘方針案が満場一致で採択されました。

憲法制定60年という節目にふさわしい06国民春闘を 大阪市労組第32回臨時大会開催
【 大阪市労組 第335号-2006年3月8日号より 】

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行事案内等(シリーズの位置) シンポジウム「公務員バッシングと市民の権利」

・大阪市の区役所残業問題の本質は何か?
・不起訴をなぜ勝ち取らなければならないのか?
・「公務員は官から民へ」大合唱の仕掛け人は誰か?
・市民の権利を守るために果たすべき公務員労働者の役割は何か?
・市民リストラをすすめるマニフェスト「改革」とは?


市民とともに暮らし・働きがいを守る運動をつくろう!!
ともに語り合い、考え、学習しよう!!



日時 2006年3月13日(月)
    午後6時30分開会
会場 エルおおさか(大阪府立労働センター)
内容 シンポジウム「公務員バッシングと市民の権利」

パネラー おおさか市民ネットワーク代表・藤永のぶよ氏
      弁護士・伊賀興一氏
      大阪市労組・中山直和氏

共催 大阪市役所労働組合/区役所残業問題の不起訴を勝ち取る会

行事案内等(シリーズの位置) シンポジウム「公務員バッシングと市民の権利」
【 大阪市労組 第335号-2006年3月8日号より 】

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市労組レーダー

■「WAVE」浪速区役所支部が機関紙大賞!!
「埠頭」港区役所支部が最優秀賞!!

 第32回年末・新年号機関紙コンテストが社団法人・大阪機関紙会館、責任審査・日本機関紙協会大阪府本部により開催されました。審査発表と紙面批評のつどいが大阪機関紙会館(福島区)にて、2月7日に行なわれました。

統一審査基準は①企画立案、②記事、③読者参加、④編集技術、⑤視覚化でした。
市労組からも多くの応募があり、以下のとおり入賞をしています。

【第1種機関紙大賞】
     『WAVE』・浪速区役所支部
【第1種入選】
     『ネットワーク』・本庁支部
【第1種佳作】
     『大阪市労組』・市労組本部
【第3種最優秀賞】
     『埠頭』・港区役所支部
【第3種入選】
     『情報ねっとわーく』・市労組本部
【第3種佳作】
     『はなさき山』・福祉保育支部
     『にしなり手帖』・西大阪支部西成区役所分会
【第3種努力賞】
     『しょうてん』・生野区役所支部
     『市労組北大阪』・北大阪支部


■大阪市内2006春闘宣言集会が開催されます

 「許すな!憲法改悪・大増税、くらしと雇用を守る06国民春闘を」をスローガンに、今年も大阪市内春闘宣言集会が開催されます。この宣言集会を出発点として、3月16日には「大阪総行動」「菜の花総行動」、3月19日には世界平和行動なども予定されています。「『小さな政府』は…大きな国民負担とくらし破壊への一里塚!みんなでつくろう!もうひとつの日本~働く仲間が元気な社会」と集会実行委員会は呼びかけています。

そして「みんなの要求、みんなで実現」に向けて力を合わせるため、この集会を超満員で成功させようと訴えています。集会では、職場と地域が、青年と女性が要求を持ち寄り、共同を広げて、声高らかに宣言します。「人間らしく生き、働くためのルールを」と。内容などは下記のとおりです。誘い合って参加しましょう。

●日時 3月9日(金)PM6:00開場(開会6:30 8:30終了)

●場所 府職員会館・多目的ホール
(地下鉄「谷町四丁目」下車 1A出口から徒歩2分)

●プログラム
【怒りのリレートーク】
  規制緩和で職場が激変
    安全と命削るタクシー現場は
    働く仲間の尊厳が奪われる金融職場は
  許すまじ!憲法改悪
    西淀川子育て・教育9条の会
【仲間を増やそう】
【みんなでうたおう】
【お待たせ 大福餅まき】

●主催 大阪労連・大阪市地区協議会
    みどうすじ総行動実行委員会

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【 大阪市労組 第335号-2006年3月8日号より 】

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