大阪市は、「市政改革マニフェスト」にもとづいて、職員いじめ、市民いじめの市政をトップダウンですすめてきています。その結果、私たち大阪市職員の自治体労働者としての誇りをズタズタに傷つけられてきています。また最近、西中島駐車場事件など部落解放同盟一部幹部による税金を食い物にする事件や芦原病院に対する138億円もの債権放棄の動きなどが発覚しました。市労組は、このような同和利権の徹底した真相糾明や「解同」をタテにした職場支配を改めさせ、職員の人権や働き甲斐をとりもどすとりくみを積極的にすすめます。
◆白日のもとにさらされた同和利権◆
市会百条委員会設置コンプライアンスは まず市長・助役がただせ
一民間病院である芦原病院の138億円の大半を債権放棄するという市長提案による「芦原病院の再生計画」案が6月6日の市会本会議で継続審議となりました。無担保貸付金に加えて、使用目的が限定されているはずの補助金も全て使い切っているという不自然さが明らかになっています。さらに、医療機器の購入が定価の2~3倍という事例や、購入自体が全く虚偽の可能性もあるとも報道されています。
また、部落解放同盟飛鳥支部長が業務上横領で逮捕されたことにより、暴力団と深いかかわりのある人物が、「同和行政」の名のもとに大阪市行政に強い影響力を持っていたことが改めて明らかになってきました。市長はじめ、幹部職員が自ら襟を正す「意識改革」と「コンプライアンス」が厳しく問われているのです。
このように利権あさりをはじめとした同和行政をめぐる問題については、徹底した疑惑解明が必要です。市会与党では、債権放棄に賛成したととられたくない議員の思惑もあり、市長提案による「芦原病院の再生計画」案を継続審議にした一方、百条委員会の設置提案については否決して、疑惑解明にふたをする姿勢を示しました。
市労組は、乱脈不公正な「同和行政」については、この機会に徹底して解明させるために奮闘します。
◆「解同」をタテに職場支配◆
不当配転・昇任昇格差別に屈しなかった市労組組合員
大阪市ではこれまで部落解放同盟に屈しない職員を徹底して迫害してきました。市職などは、※「矢田問題」を踏み絵にしながら、※「橋本浙子さん事件」や、※「第二回大阪市役所部落問題研究集会妨害事件」など、「解同方針」に従わない組合員に対する「攻撃」を前面に押し出すとともに、当局は、そのような職員に対しては、人事権を乱用した配転と昇任・昇格の差別をおこなってきました。しかし、市労組の組合員はこれに屈せずたたかってきました。
結果として、当局と労働組合に逆らわない職員をつくりあげ、30年以上にわたって乱脈な「同和行政」をすすめてきました。「同和行政」の歪みに対しておかしいと思っても、自ら悪に手を染めざるをえないという状況が、芦原病院に対する不正貸付や解同飛鳥支部長による毎年数千万円もの横領などを温存してきました。
市労組は、職場民主主義を侵す問題に対しては、これまで徹底してそれを許さないたたかいをすすめてきましたが、今後も不正に屈しないとりくみを展開していきます。 ※の内容は4面に解説を掲載しています
◆トカゲのシッポ切り◆
残業問題7924人処分のように責任を課長以下に押しつけるな
2004年11月23日のMBS「VOICE」で「カラ残業」と報道された区役所の超過勤務のあり方を問われた問題は、その後2005年3月30日に6、331人、8月19日に1、593人、あわせて7、924人にも上る職員の大量処分がおこなわれました。ほとんど個人的責任がないなかでの処分であり、予算内に収めるシステムとして、示された内容を本人が認める形で押印した結果の処分です。
また、今回の芦原病院における補助金が目的外に流用されていた事件は、その支出から精算まで、市職員が不正を承知でその書類作成を行い、局長決済が繰り返されていた公文書偽造、背任、詐欺容疑事件です。さらに、部落解放同盟飛鳥支部長逮捕にいたった西中島駐車場の業務委託にかかわる事件でも、大阪市が「暗黙の了解」を与えていたと疑われても当然です。
いずれも、大阪市という組織のなかでおこった事件ですが、一方は予算内に支出をおさえるために、もう一方は、目的を逸脱してぼう大な予算を執行するために行われた行為です。そして、いずれもその責任を課長以下に押し付けるなかで、本当の責任者である市長・助役・局長が責任をとろうとしない異常な事態になっています。 残業問題での無実の職員の処分や、今回の「同和行政」にかかわる事件での「トカゲの尻尾きり」は許されません。市労組は市長などの背任行為を徹底して追及していきます。
◆市民にも「血を流せ」◆
市民と職員犠牲の「改革」マニフェストにストップを
大阪市当局は、マスコミも最大限に活用するなかで、市民を「味方」につけ、過去の労使関係を無視して職員の勤務労働条件をトコトンきり下げてきました。その「処方箋」としての市政改革マニフェストを発表し、トップダウンによる市政運営がすすめられています。そして、職員の「意識改革」を急速にはかりながら、職員にも「血」を流させたのだから、市民も「血を流してもらう」というやり方をめざしています。
職員に対しては、「給与構造改革」による賃金の大幅抑制と人事評価制度による成果主義賃金の導入、福利厚生事業の大幅な削減、特殊勤務手当などの廃止・見直しなどを強引にすすめるとともに、5、000人削減は、12、500人削減に目標が引き上げられリストラがすすめられようとしています。また、労働組合に対しては、時間内労働組合活動の制限や支部組合事務所の剥奪など労働組合活動の権利侵害を強めています。
市民に対しては、局長・区長マニュフェストを1月12日に発表し、多くの市民に利用され喜ばれてきたトモノスや児童館などの施設の3月末廃止(市民などの反対運動により延期したが、一部修正して5月末廃止)を一方的に発表し、子育て世代、高齢者・弱者への福祉施策など市民生活を後退させる施策を公表し、反市民的本質をあらわにしてきました。
財界は、公共サービスを営利企業の金儲けの対象にしたいとの想いがあります。市政改革マニフェストでは、バス・地下鉄事業については、公設民営化を前提として作業を行うと明記されていますが、関西財界は、「完全民営化」をうたい甘い汁だけ大阪市から吸い取ることをせまっています。
市労組は、市民と職員の犠牲のうえに断行されている「市政改革マニフェスト」を許さず、市民とともにつくる市民版市政改革マニフェストをつくるとりくみをすすめ、無謀なやり方にストップをかけます。
市労組は市民のライフラインを損なう交通・水道・環境事業の民間企業への売り渡しにNO!!
いまこそ、トップダウンと「解同」流職員支配を断ち切れ! 心ある職員が求める 真の市政改革を 【 大阪市労組 第339号-2006年6月16日号より 】 |
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