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2006年10月25日 (水)

コラム 中之島

▼根をつめた仕事の合間のひと休みに「一服つける」喫煙は、仕事による心身の緊張を和らげる、なんとも言えないものである。「ストレス解消」効果だ。しかし、狭い空間に大勢の人間がつめ込まれる状態が生まれると、そこは禁煙とせざるを得ない。乗合バスや電車、映画館や劇場、ホールなどだ。喫煙が健康に悪影響を与えるというのが定説だ。特に喫煙者自身の被害よりも、そばにいて吸い込む煙の被害の方が強いと言われ、嫌煙権が主張されるようになり公的空間での禁煙が急速に拡大した。

▼その結果、喫煙者は指定された喫煙場所の中に入って煙もうもうの中で喫煙する。囲われた狭い閉じ込められた空間の中での喫煙は、ストレス解消どころではない。ゆったりとした気分など微塵もなく、ただひたすら次に吸える時までに吸っておかねばという強迫された気分と、「惨めな」気分だけがその空間を支配する。もはやストレス解消どころか、ストレスが酷くなるばかりだ。

▼それでも、根をつめた仕事の合間の「一服」は、何にも代え難いストレス解消である。逆にいえばストレスの多い社会になってから、喫煙者も喫煙回数も増え、それが健康被害が言われる元となったのかも知れない。喫煙に代わるストレス解消策をそれぞれがどう見つけ出すか、それが課題だ。




コラム 中之島
【 大阪市労組 第345号-2006年10月25日号より 】

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