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2007年2月14日 (水)

コラム 中之島

▼「女性は子どもを産む機械」と言った柳沢伯夫厚生労働大臣の発言が問題になっている。子どもを産むか産まないかは、国に強制されるものでないし、人間としての人格と尊厳を否定される発言だ

▼昭和十四年、 当時の厚生省は「産めよ増やせよ国の為」と「結婚十訓」を発表した。戦争の激化により戦死者が増え、近い将来に兵士が不足することを見越しての政策だった。軍人勅諭では兵員は消耗品と同じように扱い、人の命は羽毛より軽いと明記され、俗に人間は召集令状のハガキ代一銭五厘だといわれていた

▼この戦前の社会と共通の発想が、「女は家で子育てしろ」的な文言として自民党の改憲案に記載されている。そのため自民党幹部からの女性蔑視発言が相次いでいるが、石原慎太郎東京都知事にいたっては、何年も前から、「ババァ」発言「三国人」発言、障害者に「人権あるのか」発言など女性蔑視や差別発言を繰り返している。今回の柳沢氏の発言も、個人的見解ではなく自民党としての本音の発言であることは明らかだ

▼「みごと散りましょ国のため」(♪同期の桜)。教育基本法を変え、「命を捨てるのは臣民の道」と、死を恐れず、光栄に思う子どもたちとその「産む機械」としての母をつくる時代錯誤な野望を、私たちは絶対に許してはならない。


コラム 中之島
【 大阪市労組 第349号-2007年2月7日号より 】

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