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2008年5月20日 (火)

シリーズ労安:労災不服審査制度一本化で遠のく救済

4月26日、働くもののいのちと健康を守る全国センターの主催で、「労働災害不服審査制度のあり方を問う」シンポジウムが開催されました。

労災不服審査って?

現在、労災保険は、仕事が原因で怪我をしたり病気になったり、死亡したりした労働者とその家族の生命を守る命綱です。この労災保険給付を支給するかどうか、どんな内容の給付を行うかを決定するのが労働基準監督署です。その決定に不服のある場合は、都道府県の労働保険審査官に審査請求を行い、さらに厚労省の労働保険審査会に再審査請求することができます。地方公務員の場合も基金支部に申請し、基金支部審査会、基金本部審査会に申し立てすることができます。

改正されると、どうなるの?

政府は、「迅速化」を理由にこの二段階の救済制度を厚生労働省や基金本部にある「審査会」に一本化しようとしています。しかし既存の労働保険審査会には多くの問題点があります。救済率が4.5%(2005年度)と低い(審査官では10.9%)、さらに長期の未処理事件を大量に抱えています。まさに「遠い」「遅い」「悪い」といわれてもやむをえない状況です。この審査会に一本化するということは、今以上に救済されにくくなるということです。

地方公務員の場合はどうなるの?

地方公務員災害補償制度に関しても同じ事がいえます。従来から本部審査会は救済率が低く(支部ではほぼ30%、本部では10%未満)、「過労死」事件に関しては、「本部協議」において、支部長の判断と異なる「公務外」の意見を述べて、救済を拒絶しています。このような本部審査会に一本化すれば、地方公務員の権利救済は本当に難しくなります。

改悪に反対し、「より公正、迅速な救済」を求め、抜本的改正を求める

 労災不服審査などの見直しは、行政全体の不服審査制度見直しの一環で、不服審査は年金や税金、社会保障などをはじめ各省庁に及んでおり、340本の関連法案があります。行政不服審査法「改正案」自体は「対決法案」でないといわれ、「労働保険審査官及び労働保険審査会法」の改正案と「地方公務員災害補償法」の一部改正案の2つの法案は関連法案として審議されないまま成立する可能性があります。また多くの国会議員に労働災害の不服審査の実態が知られていないこともあり、国会議員への要請行動は重要です。被害者や遺族の権利が守られる不服審査制度になるよう、声をあげていきましょう。


シリーズ労安:労災不服審査制度一本化で遠のく救済
【 大阪市労組 第367号-2008年5月20日号より 】

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