「誓約書」問題 特集号:職員の良心踏みにじる古い体質が露呈 将来にわたって公正な職務を遂行する決意を表明します!
市労組は、将来にわたって不正を許さず公正な職務を遂行する決意を示すとともに、それに関連した「誓約書」問題について9月22日に執行委員会見解を発表しましたが、改めて次の見解を発表します。
市長の公式見解を 誰が、何故変えたのですか?
9月3日の記者会見で市長は「再発防止の一つとして、市民の皆さんに対し、不適正資金に関与しないと職員に誓約してもらう」と発言し、併せて、記者から「誓約書」の意味と有効性について問われる中、以下の発言を行っていました。
市長
あの、ごめんなさい、(発言の)途中で。やはりここまで問題が、いろいろな面が見えてきていますんで、やっぱり全職員が大阪市民に対して、きちんと、「こういうことに二度とかかわりません」、あるいは、これから先、二度と、というのは今までした人の言い方になりますから、「これから先、かかわることはございません」ということを宣誓していただく、誓っていただくという形で、私は一番いいんじゃないかなと思うんですけれどね。
※大阪市HPより転載
しかし、市長から全職員にメールが届いたあとに、配られた「誓約書」の文面は、この発言を否定したものでした。
自分は「不適正資金」に何も関与していない、納得できない職員が多数存在しています。もともと「不適正資金」「裏金」に関与しえる職員は予算に携われる一部の職員に限られているのですから。
なぜ、市長の公式発言を否定してまで、今回の「誓約書」の文面になったのでしょうか?説明責任を果たすべきです。
「裏金」の捻出も「出世への条件」という 「職場風土」を変えよう
市長は「積極的にコンプライアンスを推進する組織風土への改革を推し進めてまいりたい」とも発言されています。私たちは、この市長の表明を歓迎しています。
そして「裏金を必要とする組織風土が大阪市役所に存在した」こと、「事件の再発を防止し、風通しのよい職場風土を築き上げるために、いま必要なことは、なぜ『組織慣行的』にこのようなことが続けられてきたのかという根本原因に迫ること」だと意見を述べてきました。
これまで、「裏金」の捻出や「同和行政」に関連した上司の指示に従うことが出世への条件とされ、逆に「おかしい!」と主張した職員は、排除され、昇任人事で差別される組織風土があったのです。
したがって、再発を防止するなら、このような「組織風土」を清算するかどうかにかかっています。
その為には必要なことは、第一に、幹部職員が二度と不適正資金の捻出を命じないこと、認めないことを組織の内外に「誓約」すること。第二に、不適正な事例に対して、「おかしい!」と是正を求めた職員に対する不利益は一切ないことを市長や幹部職員が宣言し徹底することです。
悪しき「職場風土」の延長線上に 「総懺悔」を迫る「誓約書」の強要
このような根本原因になんらメスを入れず、関わってもいない多くの職員に「罪」を認めさせるような「誓約書」を書かせているのですから、市長がめざす「組織改革」が本当にすすむとは、ほとんどの職員は思っていません。
勇気ある職員を守る 姿勢があるのかが問われている!
市長は記者会見で「公益通報制度なり、公正職務審査委員会への通報という形で、いつでも出せる訳ですから、『いつでも出せるんですよ』ということをしょっちゅう言うていかなあかんのかもしれませんが。いつでも出していただいて結構です。」とも述べておられます。
たしかに公益通報制度が一定の役割を果たしていることは事実だと思います。しかし、この間に「通報を行った当事者は誰々だ」と洩れるような不手際が存在するなど、制度そのものへの信頼も揺らいでいます。
世間には、愛媛県警の裏金を告発した警察官が不当な人事異動にあったり、大企業の「偽装請負」を告発した勇気ある派遣労働者を雇い止めにする大企業があるなど、内部告発者への陰湿な仕打ちが横行しているのです。
平松市長は、このようなことが無いことを具体的にどう保障するのでしょうか。
日付を遡る「誓約書」は コンプライアンスに合致しない!
最後に、「積極的にコンプライアンスを推進する組織風土」という市長の発言を裏切る事態が「誓約書」の徴収にかかわって発生しています。
ある所属では、「誓約書」の徴収が指示されたのは10月1日に入ってからでした。ところが、個々の職員が書く「誓約書」の日付は、9月29日付けで記載するように周知徹底しているのです。個人の人権にかかわる重大な文書を遡った日付で書けと指示する当局に「コンプライアンスを推進する」感覚があるのかどうか疑問をもたざるを得ません。
【誓約書の本文】
私は、今般の一連の不適正資金問題が、私たち職員のコンプライアンス意識の希薄さに根ざしたものであるということを認識し、今後一切の不適正資金の取り扱いを行わないこと及び関与しないことを誓約します。 また、この問題が本市及び本市職員に対する市民の信頼を大きく失墜させたことを真摯に受け止め、市民に対し深くお詫びするとともに、二度とこのような事態に手を染め市民の信頼を損なうことのないよう常に法令等を遵守し、公正な職務の遂行にあたることを合わせて誓約します。
>>「裏金問題にかかわる「誓約書」提出問題について -2008年9月22日-」はこちら
「誓約書」問題 特集号・・・職員の良心踏みにじる古い体質が露呈 将来にわたって公正な職務を遂行する決意を表明します! 【 大阪市労組 号外-2008年10月17日号より 】 |
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