9年間の賃金4.4%カットは違法 市労組連が12月8日団交で追求
市労組連は、12月8日に市側と「経費削減(素案)」にもとづく、「賃金カット」について団体交渉を行いました。
市側の提案は、パブリックコメントに寄せられた「経費削減(素案)」に反対する多くの声を敢えて無視し、その立場に固執し、市民サービスの露払いとして、9年間の「4.4%賃金カット」を実施するというもので、市労組連としては不法、不当であると追及しました。
団体交渉で提案された内容は次の通りです。
給料月額の減額措置について
1 減額率
一律4.4%(減ずる額は円未満切捨て。)
2 減額期間
平成21年4月~平成30年3月(9年間)
ただし、平成22年4月~平成30年3月については、
地域手当並びに期末勤勉手当の基礎となる給料月
額についても減額措置を行う。
3 減額措置除外者
以下の職員は減額措置を行わないこととする。
・ 医師・歯科医師及び医療現場に勤務する看護職員
・ 臨時的任用職員(日額)
・ 非常勤嘱託職員
9年先までの賃金カットは労使協議や人勧体制をも否定するもの
市労組連は、市側から提案された賃金カットを来年4月から9年間続けるという内容について、「労使による賃金・労働条件の交渉は、これまでその年々で決着をめざすことを前提にとりくまれてきた」「9年先まで賃金カットを行うという提案は、労使協議のみならず人勧体制すら否定した、極めて不法・不当なものだ」と指摘し、さらに市長の任期を越えての提案は無責任であると強調しました。
またパブリックコメントの結果についても、「職員給料カット」に「賛成」12件に対し、「反対」は135件。「素案」全体に対する賛否でも「賛成」が15件に対し、反対はその25倍の379件であり、この結果を正確に解釈するべきであると指摘しました。
職員の健康状態は危機的な状況にさらに拍車が
この間、「市政改革マニフェスト」にそったリストラの強行で、6,000人以上の職員が削減され、市長部局では、昨年度だけで在職死亡が42人、そのうち自殺者が7人、病気休職者が312人となるなど、職員の健康はまさに危機的な状況となっています。過労死ラインを超える月100時間もの超過勤務を行った職員がのべ1,200人も存在する職場実態を背景に、職場では、メンタルヘルス不調によって休職する職員はドミノ倒しの様相だと囁かれている。このような状況の中で、さらなる人員削減とともに、賃金カットを9年間続けるとする「素案」の立場は、職場を疲弊させ、市民サービスを支える職場に打撃を与えるものでしかありません。
「収支不足」といいながら財界には「財政は堅調」を強調
市側がいう「収支不足」の原因と責任の所在については、阿倍野再開発事業やベイエリア開発などの巨大事業が生み出した巨額の借金の返済が「収支不足」の本当の原因であるにもかかわらず、その責任を放棄しながら、貧困と格差を生んだ「構造改革」路線を強め、市民イジメの政治を行う方向を強めているものでしかありません。
大阪市財政は本当に「危機」なのでしょうか。
平松市長は、財界・投資家向けに「大阪市の財政は堅調」であることを繰り返し強調しています。事実、4,000億円もの公債償還基金としての「貯金」と、その含み資産として、関電の株式や債券などをそれぞれ相当数保有しているのです。
前市長時代の、昨年9月の「中期的な財政収支概算」では、公債償還基金の運用を明確に打ち出していましたが、なぜ、それが出来ないのかまったく明らかになっていません。それを行わないことが、賃金カットと人員削減の最大の動機ではないでしょうか。市側は、この疑問に対しても明確に説明する責任があることを強く指摘します。
市民イジメの露払いの賃金カットは許せない!収支不足の原因は?財政状況の真相は?説明責任を果たせ! 【 大阪市労組 第374号-2008年12月15日号より 】 |
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