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2009年5月20日 (水)

コラム 中之島

▼新型の豚インフルエンザが世界を震撼させ、保健所の役割が注目されている。そこで、公衆衛生の大家であり「保健所を守る大阪市民の会」初代会長でもある故丸山博先生著「21世紀への遺言書」の一編を紹介する。

著書には─鴎外は明治23年、明治憲法発布の日、「人民は政府にむかって、われらの健康を守れと要求する権理がある。政府は人民の健康を守る責任がある」と記している。

鴎外は「権利」と書かないで「権理」と書いている。権利と言えば「物取り根性」丸出しのやり取りと受け止められて政治は醜いとか思われるかもしれないが、利益の「利」を使わないで、「道理」の「理」、「物理」の「理」、「生理」の「理」、「病理」の「理」、「料理」の「理」を使えば、「権理」とは、人間が人間らしく生きるための道理を押し通すこと、それがどんなに出費がかさみ儲からない話でも道理の方を優先させることが大事になる─と結ばれている

▼権理という文字からは、正しい福祉の在り方がほうふつと浮かんでくる。利に走った政治経済社会の中で、鴎外が「権理」と書いた意味を今日的に改めて問うてみたい。「無理が通れば道理がひっこむ」では困るのだ。260万市民の公衆衛生に責任を持つ保健所を1か所にした大阪市の罪はあまりにも大きい。

コラム 中之島

【 大阪市労組 第379号-2009年5月20日号より 】

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