公務の仕事は「任期付」(仕事の任期は3年間)でいいのか? ~任期付職員(ケースワーカー)にアンケート調査~
ケースワーカーは正規雇用に
大阪府下の失業率は沖縄を抜き全国最悪となりました。年金・医療保険など社会保障制度や雇用保険の貧しさにより生活保護世帯はまさに激増を続けています。市労組は、この激増する生活保護の最前線職場に配属された任期付職員のみなさんにアンケートを行ないました。
正規職員への任用替えを!給与処遇の改善を!
生活保護申請数の増加により、生活保護担当職場では慢性的な要員不足となりその要員不足を補うために任期付職員が導入されました。任期付職員は、正規職員と同じように働かされているにもかかわらず、労働条件や賃金は正規職員と比べると劣悪なものになっています。職務の専門性を生かすためにも正規職員への任用替えや給与での経験加算等が必要です。
市労組が実施した任期付職員アンケートには、さまざまな声が寄せられました。(別掲)
「任期付職員法」では、(1)一定期間内に終了することが見込まれる業務に従事、(2)一定期間内に限り業務量の増加が見込まれる業務に従事、する場合に採用が限定されています。しかし、今の生活保護の職場で申請増が落ち着いたとしても、減少することは考えられません。したがって、ケースワーカーは増えることがあっても減ることはありえません。
3年後に経験を積んだ200人もの職員が解雇されることは大阪市にとっても市民にとっても大きな損失になることは間違いありません。
発令式で初めて賃金カットを聞かされた!
賃金・労働条件についてもさまざまな声が寄せられました。
職員と同様に専門的知識を必要とする業務内容なのに、賃金・労働条件が低すぎるといった声が多く寄せられています。
賃金は、高校卒初任給程度とされ、昇給もなく任期の3年(最大5年)働かされることになります。そして、任期の定めがあるため継続雇用は保障されず、まさしく人件費削減のための、低収入で自由に雇止めのできる官製ワーキングプアを生み出す制度だといえます。
市労組は、引き続き慢性的な人員不足が続いている職場の専門職及び正規職員の採用配置を要求していきます。
<アンケートに寄せられた声>
○職場に配属されて、良かったこと、困ったことなど
- いきなりケースファイルを渡されて内容を読みきるまもなく業務につくのは大変でした。現場の状況を見る時間がほしいと思いました。
- 初歩的な業務マニュアルを作成してほしい。
- PCが1人1台ないのが困ります。ケース記録を作るのも先輩ケースワーカーの使っていないときを見計らわなければなりません。インターネットで調べたいことがあっても自分のPCがないと段取りが悪く、仕事の能率も悪くなると思います。
- 初めてのことで、わからず、尋ねたくても、人がいなかったり、忙しくされている中で、聞きづらいことも多い。
○研修は有意義だったでしょうか?
- 財政難であること、不正をしないことが主目的と感じました。もっとケースワーカーとしての心構え等研修して欲しかったです。
- 実例をあげて説明してもらえると実感がわいてよりわかりやすかったと思います。
- 実務に直結した研修をしてほしかった。
- 端末の研修がないと、現場ではわからない。
○賃金・労働条件について
- 昇給がないのに賃金カットは同じように対象というのはおかしくないか?
- 任期があるのに雇用保険加入でないのは、任期切れ後、どうなるのか不安です。
- 任期付職員のスキルは人によって大きな差があるように感じています。それをいつまでもみんな同じ賃金というのはやる気を維持するのに難しくないか、そもそも任期付職員に任期を全うしてもらう気はないのでしょうか?
- 条件を承諾して応募しましたが、職務内容が常勤雇用者と同等なのには少し驚きました。本当に必要な職務であると市が認識しているのであれば、賃金について再考して欲しいと思います。
- 市職員の方々と同様に専門的知識を要求され、同様の仕事を行うのに賃金・労働条件が悪すぎると思います。
- 昇給がないので、任期期間を延長して欲しい(できればなくす)
○賃金カットについての貴方のご意見を聞かせてください。
- 賃金カットは、もう少し早く知らせるべき。
- 高卒の初任給並みなのがキツイです。下手すればCWの方がワーキングプアになります。
- 昇給もなく、高卒程度の基本給なのに私達まで賃金カットの対象になるのはあんまりだと思う。
- 任期付で、その後の保障はありません。ボーナス、退職金はありますが、高齢嘱託時より働く時間が増え、毎月の給料が減り、月々赤字に少々不安あり。
公務の仕事は「任期付」(仕事の任期は3年間)でいいのか?
【 大阪市労組 第394号-2010年8月20日号より 】
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