コラム 中之島
▼就職「超氷河期」と言われている学生の深刻な就職難問題は、政府のまとめでも今春卒業予定の大学生の就職内定率が最悪の68.8%、高校生の内定率が70.6%と厳しい状況が続いている。若者の社会人としての第一歩が失業者という社会がいいはずがない。企業に日本の若者をどう育てるのかという視点がなくなっているのではないか。「即戦力を求める(若者を育てようとしない)、人間を使い捨てる労働」は、社会の発展性・持続性を破壊するものだ
▼大企業は、長期にわたる経済危機の中でも利益を回復させ、内部留保が244兆円と空前の規模に達している。一方、労働者の年収は12年間で61万円も減るという異常な事態になっている。賃上げと雇用の確保で内需を拡大することは、経済危機の打開にとっても待ったなしの課題ではないか
▼若者に希望を失わせないためは、「働く場」「成長できる場」「人間として大切にされる場」としての雇用を提供することが必要だ。景気経済を立て直し、安心して働けるためにも、人に投資することを忘れてはならない。大企業がわずか1年で増やした内部留保(11兆円)の3.4%を使うだけで新卒者15万人を雇うことができるという試算も出ている。働くルールを確立し、企業の社会的責務を自覚させる運動を、今春闘の中で大いに強めようではないか。
コラム 中之島
【 大阪市労組 第400号-2011年2月18日号より 】
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