震災復興を口実にした賃金削減を許さず、夏季一時金の増額支給を求めてたたかおう
観測史上最大と言われる東日本大震災での地震、津波、福島原発の放射能洩れによる犠牲と被害に対して支援、復興作業が続けられています。この被災地復興には、全国の労働者の支援を組織することと、国民春闘の課題である、すべての労働者の賃上げで地域経済を活性化させることが、被災地の復興と被災を口実にした労働者の解雇や賃下げをさせないための大きな力となります。そして、そのことを世論化し、国と大企業の責任を果たさせることが必要になっています。
いまこそ、国の施策をアメリカ、大企業優遇から被災地復興を主軸にした国民の暮らしや健康を守る方向に切り替えさせる。244兆円にも及ぶ大企業の内部留保を被災地復興への活用や疲弊した労働者への賃金引上げに活用させる。緊急の取り組みが求められています。
本末転倒な震災復興を口実にすすめられる公務員の賃金削減
しかし、公務員の賃金をめぐる情勢は、政府が復興財源のために国家公務員の賃金1割カットを提案し、減額に向けた具体的な内容の検討が始められています。また、国の検討内容を受けて平松市長も、「国家公務員のカットに準じるのは当然の流れ」と述べていることがマスコミでも報道されています。
この賃金カットには、期末手当及び勤勉手当の一律1割カットも含まれていることから、法案が成立すれば、私達地方公務員へ波及することが予測されます。今年の夏季一時金は条例どおりであれば1.90月となりますが、2008年度の2.15月と比べれば、0.25月の減額となります。このように一時金は毎年減額され続けているにもかかわらずさらに減額することが進められようとしています。
一時金アンケートに寄せられた「生活をなんとかして」との声
市労組が実施した夏季一時金要求アンケートには、「毎月の赤字補填のために一時金を増額してほしい」「子どもの教育費やローン返済など一時金の使途は決まっているためこれ以上の減額は困ります」等、一時金の支給を生活補給金として期待している声がアンケートに多く寄せられています。また、一時金まで成績主義により差別支給が行われていることに対して、怒りの声も多く寄せられています。特に低賃金で暮らす青年職員や子育て中の若い職員と支給の対象外となっている非常勤嘱託職員からも一時金に対する熱い声が届いています。
要求額は3.0ヶ月+50,000円、6月30日支給、差別支給撤廃、非正規職員への支給を要請 (5月13日申入れ)
今回の夏季一時金闘争では、市側に申入れた3.0ヶ月+50,000円の要求は多くの職員の切実な要求の集約であり、減額できるものではありません。最低生計費の視点から一時金の支給を考えるならば、青年層(25歳単身男性)の最低生計費は、月額約230,000円(首都圏:労働運動総合研究所調査)となっており、青年層にとって一時金の増額支給はまさしく毎月の赤字の補填であり、生活維持はもちろんのこと公務員としての資質を保つために必要なものです。
また、正規職員と同様の恒常的な業務に従事しているにもかかわらず、低賃金のまま放置され、ダブルワークにより生計を立てている非正規職員への一時金支給も必要です。
昨年の秋、高裁で勝利判決を受けた枚方市非常勤裁判では、非常勤職員であっても勤務の実態が正規職員と変らないことを理由に一時金支給を認めています。
震災を口実にした政府が主張する財政論に与することなく、生活に必要な手当として支給されるべきです。
要求の正当性を前面に出し、官民共同のたたかいで地域経済の活性化をすすめよう
市労組は5月13日(金)に市側に対して申入れ交渉を行い、今後のたたかいについては市労組連に結集することにしています。要求の正当性を大きく掲げて、不当な削減も許さない立場で要求獲得に向けて奮闘する決意ですが、この夏季一時金闘争が、まだ支給が決定されていない中小・零細企業の一時金に大きく影響することを重視し、労働者の賃上げによる景気回復で、被災地を含めた多くの地域が元気になり、震災復興と国民、労働者の生活向上をめざす闘争とするために官民共同のたたかいを追求していきます。
震災復興を口実にした賃金削減を許さず、夏季一時金の増額支給を求めてたたかおう
【 大阪市労組 第403号-2011年5月27日号より 】
| 固定リンク
コメント