今こそ市労組の出番!大震災を教訓にした安心・安全の街づくりと働き続けられる職場づくりをすすめよう
被災地の救援、復興と地域経済再生のために奮闘しよう
大地震と大津波、放射能の「三重」の東日本大震災により農魚業の壊滅的被害、生産活動が停止し復興の足がかりさえも見だせない地域経済など、復旧・復興への展望が見えない状況が続いています。今、多くの労働者の連帯による救援活動が実施されていますが、その活動を継続させていくことと、地域コミュニティを生かした街再生や地場産業の振興など、被災地に主軸を置き地域の消費力を高めていくことが、景気を回復させ、被災地の復興への大きな力となります。
被災者支援の視点が欠落した財界・政府が進めようとする大企業中心の「復興計画」では、地域経済の再生は出来ません。構造改革により疲弊した国民の生活向上と被災者に寄り添った支援・復興計画を同時に進めることで、アメリカ・財界中心の日本社会のあり方を転換させて行きましょう。
国家公務員の賃金1割削減とその削減を露払いにした消費税率引き上げを含む「震災復興税」や社会保障の改悪などが、復興を口実に進められ、国民への負担が強化されようとしています。
国家公務員の賃金削減では、京都府知事をはじめとした知事や市長など節度ある自治体首長から批判の声が上がっていますが、平松市長は「国家公務員のカットに準じるのは当然の流れ」と述べ、現行の賃金カットを上回る地方公務員の給与削減を実施しようとしています。この賃金削減は、関連機関はもとより民間労働者の賃金にも影響します。労働総研の試算では、被災者も含めた625万人の賃金に影響し、家計消費を2.6兆円、国内生産を5.9兆円減らし、税収が5,000億円落ち込むと発表されています。そのうえに消費税の税率引き上げでは、国民生活は低迷し消費不況から脱出することは出来ません。
政府は震災復興を利用することで、「子ども子育て新システム」などの社会保障の市場化やナショナルミニマムの切り捨ても行おうとしています。政府の危険な企みを阻止するための緊急のとりくみが必要です。
使途のない大企業の内部留保を「震災復興債」に活用することや米軍への「思いやり予算」、法人税減税、政党助成金などの無駄を省くことで財源確保を行い、復興を口実にした国民イジメの施策を止めさせるための住民と連帯したたたかいをすすめましょう。
震災被災地の自治体職員は不眠不休の努力で被災者支援と被災地の復興にたずさわっています。そして、全国の自治体からも支援のための職員派遣が行われていますが、被災地では、役所そのものが津波により被害を受けていることや職員自身が被災に遭うなど、支援者が不足していることが報告されています。
被災地の多くは、「構造改革」の政治によって、地域経済が疲弊し、高齢化と過疎化が進行してきました。その一方で、住民生活を守るべき地方自治体も、市町村合併や財政削減、職員削減によってその力を削ぎ落とされてきました。その結果、被災者支援、生活再建、地域の復興をより困難にしています。
効率を優先した民間委託化や経費削減による福祉、医療やライフラインに関わる職員削減を進めることでは、安心、安全のまちづくりは実現しません。
大阪市解体という改革をすすめるために大阪都構想を唱える橋下改革や、橋下改革に競い合うように経費削減をすすめる平松市政では、構造改革により疲弊した市民生活を守ることは出来ません。大規模開発優先から市民の要求である福祉、医療、教育等の充実と災害に強い街づくりをすすめることで、地域経済を活性化させる市政をめざし市民とともに奮闘します。
所属推薦と試験結果の二段階で選別を行う行政職の3級昇格が多くの職場で問題視されています。推薦枠や試験の合格枠が少ないために昇格試験に不合格となれば、次回からの所属推薦から外され2級のまま放置されている職員が増えています。そして、運良く3級に昇格しても3級の最高号給のカットが4月から実施されるなど、給与構造改革のもとで、職務職階制度の徹底化が進められています。また、昇給や一時金の支給率においても査定給制度が導入され、職員間に差別と格差が広がっています。
市労組の実施した夏季一時金アンケートには、「生活は疲弊していくばかりで、職務を遂行する上にも影響が出る」「成績主義賃金となり職員同士の会話が減った。チームワークが悪くなっている」等の声が寄せられています。
職員の誰でもが将来に不安なく、安心して働き続けることのできる給与水準を確保するために、差別分断を行い全体の賃金水準を引き下げる給与構造改革の撤廃の声を大きく広げていきましょう。
また、通勤経路の認定基準が設定されてから、通常では考えられない通勤経路の認定が行われています。ラッシュ時の通勤は、大変なストレスとなります。通勤時間短縮と利便性などを考慮した経路設定が必要です。経済性のみを優先するのではなく合理性も考慮した経路認定を実現させましょう。
不況のなか行政への市民ニーズは増え続け、職場の繁忙化がすすんでいます。しかし、平松市長は、職場実態を無視した「経費削減」による職員削減を続けています。職員の削減数は、平成17年~22年の5年間で8,570人が削減され、これからの5年間でもさらに4,000人を削減することが公表されています。
このような強引な職員削減の実施により、慢性的な超過勤務職場や休憩時間の取得が出来ない職場など労基法さえも守られていない職場が増えています。
このような職場環境の悪化に耐えられず、多くの職場で、メンタルによる病気休職が増えています。市民の健康と生活を守るためには、人員配置を前提にした職員が健康で働き続けられる職場環境の整備が必要です。各職場の実態調査をすすめることで、市民にも職員にもやさしい職場づくりをめざします。
非正規職員の雇用と生活を守るたたかいを進めよう
多くの自治体で正規職員から非正規職員への置き換えが行われています。いま、自治体職員の約3割が非正規職員だと言われており、大阪市でも、ケースワーカーや保育士などの専門職種まで非正規職員の配置で業務が遂行されています。
仕事は、正規職員と同じなのに雇用は3年有期であり、賃金は低賃金のまま据え置かれ昇給さえもない状態です。将来の雇用不安を抱きながら、低賃金のためダブルワークしなければ生活できない非正規職員の雇用保障と処遇改善は待ったなしの課題です。昨年の秋、勝利判決を受けた枚方市非常勤裁判では、非常勤職員であっても勤務の実態が正規職員と変らないことを理由に一時金・退職金の支給を認めています。
非正規職員を物のように使い捨てる大阪市の態度を改めさせ、公契約条例の制定はもちろんのこと、均等待遇実現に向けた取り組みを進めることで、大阪市から官製ワーキングプアをなくすために奮闘します。
橋下知事率いる維新の会が府議会で教職員に対して「君が代」斉唱・起立を強制する条例を提案し、数の力に頼んだ暴挙により成立させました。橋下知事は成立を受けて「公務員に自由はない」と発言、9月府議会では、起立しない教職員に対する「懲戒条例」を提出するとしています。まさに人権を守るべき「弁護士」とは思えない行動に府民からの抗議の声が広がっています。
このような維新の会の数の力での暴挙は、憲法で保障された内心の自由を侵すものです。国旗・国歌法の国会審議(99年)でも①法制化するが強制しない②「日の丸」「君が代」が戦争に利用された歴史的な経過から押し付けてはならないと政府答弁がされています。
このような「もの言えぬ教職員づくり」は戦前のファシズムにつながるものとの声が広がっています。数の力により自分たちの思うがままに教育に介入していく危険な策動を阻止し、憲法と民主主義を守り、戦争に加担しない平和な日本をめざし、多くの団体と連帯した取り組みをすすめます。
今こそ市労組の出番!大震災を教訓にした安心・安全の街づくりと働き続けられる職場づくりをすすめよう
【 大阪市労組 第404号-2011年6月30日号より 】
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