大阪市元保育士中山淑恵さんの過労死認定裁判 2012年2月3日に結審
いつもご支援ありがとうございます。11月29日、大阪高裁において第2回控訴
審が行われました。この日は、中山原告と新宮医師の証人尋問が行われました。
頚肩腕障害の悪化が非常に影響と証言
中山原告は淑恵さんが亡くなる前の健康状態について証言しました。
また、米沢大学の新宮医師は脳神経外科の医師で淑恵さんのクモ膜下破裂が頚肩腕障害の悪化で、身体状況が脆弱し、慢性的に疲弊した状態の中で破裂したもので、頚肩腕障害の悪化が非常に影響していることを証言しました。
新宮医師は頚肩腕障害患者の調査や自分なりに勉強を積み重ねてきたことを述べ、淑恵さんの血圧の上昇が頚肩腕障害の悪化とともに上昇していること、また、夜間の状態について、中山証言などを見ると、頚肩腕障害の悪化で副交感神経の働きが悪くなり、精神的緊張がほぐされないまま、夜間も十分睡眠がとれなかったことや血圧が低下せず、夜間高血圧の状態になっていたことが予測される。
夜間血圧が下がらないことは血管にも大きな負荷がかかり動脈瘤破裂につながることを証言されました。
重症化しない職場改善が抜本的に求められる
多発する過労死やメンタルなど過密労働の今日、労働と医学の研究が非常に遅れていると警告を発しました。傍聴席で聞いているものは医学的な専門知識のないものばかりでしたが、新宮医師の証言は一つ一つ頷けるものでした。
裁判では吹田・東大阪の特殊検診の状況についても陳述書を提出しましたが、いずれも、特殊検診でC判定になる前の対策が取られており、重症化しない前に治療するよう、職場への指導が入るということです。
重度の頚肩腕障害に罹患するとなかなか元の体に戻りません。自分の体と上手に付き合いながら仕事を続けても無理はききません。
大阪市においても、特殊検診の実施とともにC患者への直接的指導と職場指導、重症化しない職場改善が抜本的に求められています。
保育所職場では、いまだに45分の休憩時間さえ確保できず、労働基準法違反状態を放置したままの大阪市。職場の努力任せで人の命は守れません。
保育所は子どもの命を預かるところです。予算削減や最低基準の切り下げでなく、拡充するための予算を確保してほしいものです。
次回2月3日午前10時から別館72号法廷において結審がおります。たくさんの傍聴をお願いします。
大阪市元保育士中山淑恵さんの過労死認定裁判 2012年2月3日に結審
【 大阪市労組 第409号-2011年12月19日号より 】
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