コラム 中之島
▼2万人近くの死者・行方不明者を出した東日本大震災から1年がたった。今なお仮設住宅や民間借り上げ住宅に避難している被災者は約34万人。なぜ、復興のスピードが遅いのだろうか。今後の復興対策の課題を問うたアンケート調査では、多くが「原発事故対策」を挙げている。政府の「収束」宣言と裏腹に、原発問題解決の展望が見えないことに人々は憤っているのだ
▼日本は、M6以上の地震の発生回数が世界の約20%を占める世界有数の「地震国」。今なお東北や関東を中心に各地で活発な地震活動が続いている。全国各地で地震や津波の被害想定や避難計画などの見直しが進んでいるが、あらゆる可能性と危険性を想定し、被害を最小限に抑えて生命と財産を守る体制を構築することが必要だ
▼政府は、関西電力大飯原発の「ストレステスト」を受けて、近々再稼働を認めるとの動きが報じられた。しかし、福島原発は、いまだに内部の様子すらわからず、地震によって、原子炉や配管に損傷があったのかも不明だ。徹底した事故原因の究明なしに、再稼働に踏み出すのは、新たな安全神話をつくるもの。今なすべきことは、原因の徹底究明、事故の収束に全力をつくすとともに、全面賠償・徹底した除染をすすめ、被災者の暮らしと生業の再建を支援することではないだろうか。
コラム 中之島
【 大阪市労組 第412号-2012年3月28日号より 】
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