職員はもとより「市民イジメ」の市役所つくりを狙う 「労使関係」「政治活動規制」「給与制度改悪」条例案は撤回を！

橋下市長は暴走をやめ、憲法と国際ルールを守れ！

　橋下市長が7月議会に提案しようとしている「労使関係」「職員の政治活動規制」「給与制度改悪」など、いずれの条例案も憲法や地方自治法、地方公務員法に抵触る違法な内容が含まれています。またＩＬＯ条約にも違反しており、とても条例提案ができる代物ではありません。私たちは撤回を要求します。

「違法」との政府答弁書に悪乗りし、政治活動に「懲戒解雇」を盛り込む

　職員の政治活動を規制し、国家公務員並みの罰則を設けることに対しては、政府が「違法」との見解を出しました。しかし、橋下市長はこの答弁書に「職員の政治的行為の制限の違反に対しては、懲戒処分により地方公務員たる地位から排除することをもって足る」との見解が付されていることに食いつき、政治活動を懲戒解雇につなげる条例を提案すると表明しています。しかも、集会・結社の自由や表現の自由の規制をするような重大な問題が含まれています。職員や労働組合に対して、今に至るも何の説明もされていません。内容がファッショ的なら手続きもファッショ的な対応です。

労使関係に関する条例案の問題点

　「大阪市労使関係に関する条例案」は、橋下市長の指示による思想調査を行った野村特別顧問による報告書が背景となっています。労働組合の活動や労働組合に対する便宜供与のすべてが「悪」という前提に立つもので、憲法の保障する労働基本権を侵害し、地方公務員法に抵触する内容であり、とても条例提案ができる代物ではありません。

とんでもない！「組合交渉拒否」の判断を一方的に下し、罰則まで

　条例案は「管理運営事項」についての意見交換を禁止し、罰則規定まで付けています。平成24年3月21日付の総務省の見解では、管理運営事項について「例えば、個別の人事、予算、政策等が該当するものと考えているが、ある事項が管理運営事項に該当するかどうかは、個別具体的に判断することになるものと考えている」と報告されています。

　管理運営事項と勤務労働条件は、表裏一体の関係であり、密接に関連するものが存在しており、任命権者が一方的な判断で交渉を禁止し、罰則まで加えることは異常というほかありません。

組合活動の内容を勝手な判断で「検証」

　任命権者に対して、労働組合の活動を「検証」し、組合活動を「抑制」する権限を付与することは、「使用者による組合への自主的な運営、活動に介入するもの」で労組法1条の労使対等原則に真っ向から反するものです。また、人事委員会に収支報告書や組合員名簿の提出を求めることは、地公法になんら記載がないものであり地公法違反の行為を人事委員会におこなわせるものです。

便宜供与の一方的廃止は不当労働行為

　便宜供与については、いままで供与されていた経過が重要であり、労使間の協議により決めていくものです。任命権者の主観的な判断で便宜供与を行わないとすることは、客観性に欠け、合理的な理由もなく一方的な行為であり、不当労働行為そのものです。

国際的に普通の職場、普通の権利を求めます

　憲法、地公法、労組法により労働組合の存在と活動は保障されています。労働組合の活動を任命権者が認めたものしかダメと言う今回の条例案はまさしく、橋下市長の組合敵視の発想から検討されているものであり、法違反そのものです。

職員はもとより「市民イジメ」の市役所つくりを狙う　「労使関係」「政治活動規制」「給与制度改悪」条例案は撤回を！

【 大阪市労組　第414号-2012年6月22日号より 】