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2013年3月28日 (木)

「生保基準」引き下げでさらに広がる貧困 市民・労働者の絆を引き裂く生保バッシング

2013032901●生活保護者だけでなく他の国民に大きな打撃

 自民党政府は、生活保護の基準額を今年8月から引き下げようとしています。生活保護の基準額は他の多くの生活支援制度の目安にもなっており、その引き下げは受給者だけでなく多くの国民に影響することになります。

〈住民税の非課税限度額は〉

 生活保護受給者は住民税が免除されますが、受給者でなくても前年の合計所得が生活保護の基準額を考慮して決められてきた「限度額」以下であれば、住民税は非課税となります。保護基準の引き下げにより、住民税が免除されている低所得者の一部が課税されることになります。また、住民税は他の制度とも連動し、保育料・介護保険料・国保料が安くなります。低所得者の優遇がなくなることで、影響がさらに広がります。

 さらに、就学援助、生活福祉資金、障害者自立支援利用の減免にも影響します。

〈最低賃金、低下も〉

 非正規で働く労働者にとって最も身近な影響とみられるのが、最低賃金です。都道府県で最低賃金を決める際は、生活保護との「整合性に配慮する」と法律に明記されており、この間の最賃の引き上げの最大の要素はそれを理由としてきました。日弁連は「最低賃金の引き上げが抑制されるどころか、最低賃金が下がるかもしれない」とし、保護基準の引き下げに反対しています。 

生活保護の利用率が低い日本の現実

 先進諸国の中で生活保護を受給している人の割合を比べると日本は極めて低い実態です。一方、生活保護基準以下で生活している人の中で保護受給中の人の割合を捕捉率といいますが、日本は断トツに低く5人に1人も受けていません。これが生活保護バッシングが強まる原因ともいえます。

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公務員への「厳しさ」は国民に厳しくする先例づくり!

 3月15日、大阪市が保護受給者の扶養親族調査を行った結果を発表しました。公務員や医師ら一定の収入が見込まれる人が811人で、その内訳は、公務員529人(大阪市職員164人)、大企業などの社員206人、会社経営者36人、医師23人、弁護士3人、大阪府以外で近畿圏内の地方議員2人、などとしています。

 橋下市長は「現行法では強制できないが、基準をつくり、援助してほしいという働きかけはできる」と言い、さらに市職員には「公務員で安定収入があるんだから、より強く基準に基づいた援助を求めたい」と述べたといいます。

 これまで「滞納問題」などで市職員に対して厳しく対処した後、市民への厳しい対応をしてきた実例から見て、市職員への「より強い基準」は市民・国民に厳しくする露払いです。とは言っても市職員がそれぞれの家庭の事情やこの間の大幅な賃金ダウンによって生活実態はまさにさまざまです。それを「安定収入」と言い切るのは問題があります。

保護申請に制約を設ける危険性あり

 扶養援助は、生活保護法では「保護の要件」ではありません。人気漫才師の母親の事例でもなんら違法性はありません。今回の公務員や「一定の収入が見込まれる人」が問題にされる中で、生活保護を受けることが非国民であるかのような風潮をさらに広げることになるならば重大な問題といわなければなりません。

 貧困層がますます拡大する現状を踏まえ、年金制度をはじめ社会保障の充実に向けたとりくみをすることこそが必要です。

「生保基準」引き下げでさらに広がる貧困

【 大阪市労組 第419号-2013年3月28日号より 】

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コメント

政府は、生活保護費のうち生活費に当たる生活扶助を3年間で段階的に引き下げることを決めました。96%の世帯が引き下げられます。なかでも子どもの数の多い世帯が一番の打撃を受けます。(西沢亨子)引き下げには根拠がありません。政府は、厚生労働相の諮問機関が出した「検証結果」を踏まえて見直したとします。この検証方法は、最も所得の低い1割の世帯の消費水準と比べるやり方です。しかし、日本では生活保護水準以下の所得の世帯のうち生活保護を利用しているのは15%程度にすぎません。保護を利用できる水準なのに利用していない漏給率がヨーロッパ諸国に比べ格段に高くなっています。それを放置したまま低所得層との比較で生活保護基準を決めれば、基準が下がるのも当然です。生活保護が保障すべき「最低生活費」を計る方法は、ほかにもいくつかあります。厚労省の社会保障審議会の部会には部会の委員によって別な検証結果が報告されました。それらではいずれも、現在の生活保護水準は低すぎ、引き上げが必要だという結果がでています。さらに、政府が今回用いた方法でも、高齢者世帯などは引き上げが必要だという結果がでていました。60歳以上の単身世帯では4・5%の引き上げが必要でした。ところが政府は、「物価が下落している」という口実を持ち出してそれらの世帯まで引き下げようとしています。しかし、物価指数を下げているのはビデオやデスクトップパソコン、テレビなど、生活保護世帯、ことに全体の約半分を占める高齢者世帯には縁遠いものが中心です。それをもって最低生活費を下げれば、暮らしがたちゆかなくなります。厚労省の部会の委員からも、引き下げには慎重であるべきだという意見がでていました。生活保護基準の引き下げは、国民生活全体の最低生活ラインを下げ、暮らしを支える“岩盤”を壊します。07年に世論の力で引き下げを許さなかったように、引き下げをストップさせる世論を急速に広げることが求められています。

投稿: 梅田 繁 | 2013年4月 2日 (火) 19時54分

高過ぎる公務員の給料を民間平均まで下げればすべて解決します。早くシロアリが駆除できると良いですね。

投稿: | 2013年4月 3日 (水) 17時47分

「いま自治体は“市営地下鉄を民営化する”“市バスを民営化したい”とさまざまな努力をしている。これがなかなか難しい」日本維新の会の松浪健太議員は9日の衆院予算委員会でこう述べました。とくに重要な公の施設・資産の廃止や売却などに議会の3分の2以上の賛成による「特別議決」を義務づけている地方自治法について「3分の2が必要なのか疑問に思う」と同議員は述べ、議決要件の緩和を求めました。同党共同代表である橋下徹大阪市長が狙う市民いじめの施策を後押しする狙い。橋下市政は、市営地下鉄や市営バスなどを民営化しようと狙い、住民の厳しい批判を浴びています。新藤義孝総務相は、「特別議決」は「住民の意見」「住民の利用権」を尊重するために設けられたと説明しました。これに対し松浪氏は「余計なお世話」だと非難し住民無視の姿勢をあらわにしました。新藤氏は「極めて慎重に検討を加えていかなければいけない」と述べました。

投稿: 梅田 繁 | 2013年4月10日 (水) 21時21分

大阪市職労組は、腐敗臭プンプンのシロアリ労組という事は、市民の方々は全て判っているので割愛します。
生活保護費切り下げには、大賛成です。
我々が子供の頃(50年前)は、どんなに生活が苦しくとも生活保護を貰うのは、親として非常な恥でした。
私の両親も、4人の子供を育てるのに、朝早くから夜遅くまで掛け持ちの仕事を20年近く続け、高校・大学を出してくれました。
近頃は、生活保護費でギャンブルをやり、生活保護費が働いた場合より多い金額になるので、何の恥じらいも無く生活保護を貰う風潮に憤りを感じます。
財源が不足しているのに、勝手に日本へ来た在日朝鮮人を含む外国人に、何故生活保護を出すのかという疑問も出て来ます。
日本で、生活できなければ祖国に帰れば良いだけでないですか。
自分の意思で日本へ来て、「生活できないので、生活保護を下さい」では、本当に必要な日本国民に生活保護が行き渡らない危険が出て来ますし、財源が持つわけ有りません。
在日外国人への生活保護支給打ち切りと、生活保護支給審査の厳格化 or 生活保護費で本来の趣旨と違う使い方をしている人を見かけたら通報する制度の採用を行えば、支出額も大分違ってくるのではないでしょうか?

投稿: | 2013年4月22日 (月) 22時46分

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