ご存じですか? 住民情報に関わる窓口業務の民間委託化
今年の2月から9区役所で先行実施
9区役所で今年の2月から住民票・戸籍業務の一部、主に届出・交付業務が民間業者に委託されています。来年度からは、全24区役所で委託化されることになっています。また、ある区では出張所業務を丸ごと民間委託化することがすすめられています。
個人情報の根幹となる住民情報窓口業務の民間委託化(請負)で、プライバシー保護は大丈夫なのか?経費削減効果は?違法行為(偽装請負)が起こっていないか?などの検証が不十分なまま、民間活用ありきの「市政改革」は、住民保護とサービス向上となっているのかとの検証が必要です。正確な情報提供を市民に行い、上位下達の運営ではなく、市民、現場職員の声を吸い上げた窓口改革が必要です。
経費削減になっているのか?何故民間委託するのか?プライバシー保護は?
民間委託化を行うにあたって、平成23年9月から梅田のサービスセンターで検証実施が始まり、その結果を受けて、9区で先行実施されています。実施にあたって当局は、経費についてはプライバシーに関わる業務であるために、業績のある信頼ある業者との契約が必要であり、経費面だけでの業者選定は困難との理由から、職員人件費より高額になることもあると回答しています。市側は、なぜ市民のプライバシーに関わる大事な業務を経費削減効果が期待できない民間委託化してなぜ行う必要があるのかとの疑問に答える必要があります。
自動車税のデーター管理を民間委託化した大阪府税事務所では、委託契約業者が外部の下請け業者にデーター管理(システム開発)を外注していたことが発覚し、個人情報の漏洩が問題となった事件が起こっています。政府のすすめる市場化テストだから問題ないとの考え方では危険なものと言わざるをえません。
違法行為(偽装請負)となっていないか?
政府(内閣府)は、民間委託(請負)するにあたり、①当該労働者の作業の遂行について、当該事業主が直接指揮監督のすべてを行うこと②当該業務を自己の業務として相手方から独立して処理することの2点が必要であり、請負業務と公務員が行う業務の明確化が行われ、それぞれが独立した業務運営が実施されなければ、「偽装請負」になると指摘しています。
窓口業務の場合、受付、交付、端末操作などの補助的業務を民間委託(請負)とさせ、交付決定判断(審査)を職員(公務員)が実施することになります。職員(公務員)が民間委託職員に直接指示、指になることから、事務スペースも民間スペースと公務スペースに仕分けされています。
しかし、窓口職場では、受付から交付まで連結した作業であり、作業自体を「偽装請負」になるとの理由で分断させることは、事務効率の低下や市民サービスの低下につながります。
]実施されている9区役所でも民間委託職員に対して職員(公務員)が指示、指導しなければ対応できない場面が頻繁に起こっています。まさしく「偽装請負」しなければ、市民サービスが守れない事態となっています。
ほんとうに市民サービスは維持されているのか?
民間委託化により窓口に経験ある職員(公務員)がいなくなりました。委託先の民間職員もマニュアルにもとづいた適格で正確な処理に心掛けておられますが、市民の誤った申請に対して、疑問を持たずに証明書が発行される事例が発生しています。例えば、パスポート申請に必要な証明が発行されていなかったために市民からの苦情が寄せられるなどの問題も発生しています。
民間職員の方も十分な研修を受けずに職場に配置されています。窓口では、マニュアルだけでは判断できない事例も起こります。その時にベテランの職員(公務員)からアドバイスを受けることは「偽装請負」となるためアドバイスを受けることのできない異常な職場となっています。民間職員も職員(公務員)もストレスがたまり、慢性的な長時間労働職場となっています。市民サービスの維持と民間職員と職員(公務員)の健康が守れる職場とするための再検討が必要です。
市民と一緒に検討することが必要
お隣の守口市では、こうした問題点を市民に知らせることで、市民サービス向上につながらないとの理由から民間委託化の検討が中止されています。なんでも民間活用すれば「いいことだ」ではすまされません。事業のマイナス面を市民に正確に知らせ、市民と一緒に検討することが必要です。
ご存じですか? 住民情報に関わる窓口業務の民間委託化
【 大阪市労組 第422号-2013年6月27日号より 】
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コメント
民間委託のどこが悪いの。
昨日、堺市の区役所と大阪市の区役所両方に行きましたが、
大阪市は若いしテキパキしてるし監督役も前へ出ていく積極さが見えました。堺市はその反対。公務員は高い給料貰ってんねんから、もっと難しいしんどい仕事をしてください。
投稿: | 2016年6月 1日 (水) 13時41分
仰言る通り のことが起きている。おかしな対応をする事がある。
しかも全く経験なくて、どう見ても一般社会人としてのしつけすら
受けていない様な者を、窓口で見習いさせていて 周囲も平気なくて顔で
放置している。窓口に出す前にしっかり研修しろ と、怒鳴ってしまったが、一般常識すら身に付けてない者を雇って窓口業務させるなど全く信頼出来ない。無責任極まりない。大体が、役所の役目を軽んじる行為ではないか。彼らは法の上ではどういう身分になっていて、誰が最終責任者なのか。最低でも自治関係法、民法、刑法、税法、税務の概略知識は必要ではないのか。民間委託している意味が理解出来ない。アメリカ、西洋流の遅すぎるモノマネ委託は即刻やめてもらいたい。
投稿: | 2016年12月12日 (月) 17時09分
そもそも内閣府ガイドラインを守って民間委託をしている市区町村がどのくらいあるか。
住基ネットは触らせるし、偽装請負を恐れるあまりに聞いてくれるな!の一辺倒で教えてもらえず。
何のための民間委託かさっぱりわからない。
投稿: | 2018年3月11日 (日) 13時26分