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2015年5月27日 (水)

住民投票で大阪市解体NO確定!市民のための大阪市改革へ新たなスタート

 5月17日の住民投票は「反対」が僅差で多数となり、2年後の大阪市解体にともなう大混乱は回避されました。投票率66・87%、140万人を超える市民が投票する歴史的な住民投票は、投票日を含め「賛成」「反対」の市民が街のあちこちで激論を交わすという、かつてない様相が出現しました。

 結果を受け橋下市長は、「任期満了後に政界引退」を表明、その後「総合区」の議論が急浮上しています。暮らしを良くしたい、明るい未来をという市民の熱い願いを実現するため、「賛成」「反対」の違いを乗り越えた新たな議論が求められています。

あおられた「対立」は投票後も続く

 住民投票の出口調査で示された70代以上の有権者に反対が多いことを取り上げ、ニュースキャスターの辛坊治郎氏が高齢者に大阪都構想をつぶされて若者がかわいそうという発言をするなど、若い世代と対立させる議論が少なからず出されています。しかし、20代から40代の市民の人口は70代の人口の倍以上、有権者なら2・5倍にもなる実態を冷静に見る必要があります。

 このような対立をあおったのは橋下市長の側に責任があります。市長が行ったタウンミーティングで敬老パスの改悪を公約違反だと怒るお年寄りに対して、公約違反を詫びるのではなく「子どもたちの為にガマンしてもらわないと」と語るとともに子育て予算を5倍6倍にしたと実績宣伝を行う場面が多くみられました。

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2015052801情報操作?!で対立がつくられた

  将来世代のために、お年寄りはガマンをという主張は、大阪市財政「危機」論と併せて高齢者にも一定の支持を得ています。しかしこれにはカラクリがあります。

 まず、橋下市長が言う「現役世代への重点投資」は、中学校給食やバウチャー塾代助成の実施など橋下市長肝いりの5つの事業の予算を積み上げたもので平成26年度実績270億円。一方、大阪市の子ども教育予算の総額は前市長当時から2500億円前後で推移し横ばいです。前者と比べ一桁大きな額です。結局、お年寄りのガマンで現役世代向けの予算が増えたのではなく、教育予算の別の項目が削減されているのです。

2015052803 学校現場では予算削減で画用紙・粘土・彫刻版など質の悪いものしか購入できず、市立保育所では募集児童数を毎年減らしている実態が報告されています。

 このように都合の良い数字の押し出しで現役世代には「実績」に、高齢者にはガマンを強いる宣伝となっていました。

大阪市は25年連続黒字決算が続く

 また、大阪市の財政が危機的状況だとの宣伝は多くの市民の心を捉えました。たしかに90年代のムダな巨大開発事業の失敗の穴埋めは未だに続いています。

 しかし、会計の決算では平成25年度で25年連続の黒字、借金は9年連続減少し約7000億円も減っています。貯金(基金)は財政調整基金も公債償還基金も着実に増えて、両方で6000億円を大幅に上回っています。

 「このままの大阪市なら破たんする。住民サービスは確実に低下する」という現役市長の断言を偽りだと見抜くのは非常に困難であることが、住民投票の結果でも示されたと言えます。

都市内分権の拡大にむけ「総合区」が次の焦点に

 地方自治法の改正により、政令指定都市の行政区が総合区に格上げできることが来年4月から可能になります。大阪市解体ノーの結果を受けた橋下市長がさっそく総合区の実施に方針転換しました。住民自治の拡充につながるように総合区制度を活用するなら歓迎すべきです。ただし、住民の議論・合意なく合区議論が先行するようなことになるなら、この間の法定協議会などの手続きの問題と同じ住民無視の結果につながります。

 これまで各行政区では区政会議など住民参加の実践が積み重ねられてきました。住民参加と熟議を重ね、大阪市の将来設計に新たなスタートが求められます。

 私たち市労組は地域自治体学校のとりくみなど、引き続き住民本位の大阪市政をめざしてとりくみます。

住民投票で大阪市解体NO確定!市民のための大阪市改革へ新たなスタート

【 大阪市労組 第443号-2015年5月27日号より 】

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