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2015年5月27日 (水)

「橋下改革」は何をもたらしたか

2015052805壊された職場体制

「橋下市長になって窓口の対応が良くなった」との声が聞かれます。職員の日々の努力が報われる言葉です。区役所の窓口を覆面調査し採点を公表することも、市民の評価につながっているようです。

 一方、今年に入り住民登録や戸籍の申請窓口では5時半の執務時間が終了しても、なお多くの市民が手続きが終わらずに待ち続ける状況が報告されていました。

 そして、4月の人事異動の後、職場には仕事を熟知した職員が居らず、仕事が回らない状況の中でメンタルの不調を訴える職員の悲鳴があちこちで聞こえます。

 職場は、表面的な評価とは裏腹に壊れているというのが率直な状況です。橋下市長就任以来、なぜこのような職場が生まれたのか?その一端を検証します。

「職員は民意を語るな!」の真意は「市民の声を聴くな!」

 橋下市長は2011年12月28日に行われた市会での施政方針演説で「市役所職員が民意を語ることは許しません。(略)民意というものを語るのは公選職、選挙で選ばれた者だけ」と述べました。この発言の意味を示す市長発言が翌2012年4月2日、大阪市の新規採用職員の発令式で出されます。「みなさんは国民に命令をする立場。だからしっかりルールを守らないと命令なんか誰もきいてくれない」と訓示しました。続いて、4月13日には「職員基本条例案」が審議された大阪市会で「(職員が)市長の顔色をうかがわなくて、誰の顔色をうかがうんですか」と答弁します。

 橋下市長のメッセージは「職員は市民の声に耳を傾けてはならない」「市長の声だけに従え」そして「職員は市民に命令する立場」ということだったのです。

言いがかりで始まった組合攻撃

 2012年1月30日に組合事務所の「退去通告」が出され、2月9日には橋下市長は全職員を対象に「思想調査アンケート」を「業務命令」で回答を強制します。

 これらは、大阪市会で「維新の会」の議員が取り上げた事例やマスコミが大々的に報道した交通局職員約1800名分の氏名などが記載された「選挙リスト問題」などが根拠とされていましたが、まったくの言いがかりでした。「選挙リスト」は維新の会を支持する非正規職員によるねつ造でした。また、議会で問題にされた交通局の事例も「職務専念義務違反」で処分がされた以外、地方公務員法にも公職選挙法にも反するような事実は存在しませんでした。

「服務規律」の名でパワハラの制度化!?

 「思想調査アンケート」が世間の批判を浴びている最中に、橋下市長は「服務規律刷新」の名目で、喫煙、入れ墨、マイカー通勤問題などを全庁調査し、厳罰主義を徹底します。また、「人事評価」での下位成績の職員を「分限免職」で脅して研修を実施し、人員削減の目標と事実上リンクさせながら職員を退職に追い込むブラック企業なみの状況が生まれます。

 人員が削減され余裕のかけらもない職場では、セクハラ・パワハラの公募区長への処分が減給1ヶ月なのに、喫煙で停職1ヶ月という厳罰主義が職員をしばります。大阪市役所の職場では、それに留まらず「上司が怒鳴ったりするパワハラで食事が喉を通らない。味覚障害になり味がわからない」と切迫した状態を訴えなど、職員の人格・人権を否定し、弱い者いじめの行為が蔓延しつつあります。

裁判所や労働委員会から橋下市長を断罪する命令と判決が

 職員や労働組合は、橋下市長による数々の不当労働行為の是正や職場の民主主義回復をめざして裁判所や労働委員会に訴えを起こし、全国からの大きな支援を受けてたたかいをすすめてきました。

 2014年2月20日に大阪府労働委員会が組合事務所の不許可処分は不当労働行為だとの命令を下し、9月10日には大阪地裁が、橋下市長の不当労働行為を行う意志を明確に認定し、①使用不許可処分の取り消し、②使用許可の義務付け、③組合への損害賠償を命じるという組合完全勝訴の判決を言い渡しました。

 さらに、本年3月30日に大阪地裁は「思想調査アンケート」は憲法28条の団結権、13条のプライバシー権を侵害して違法だとの判断を下しました。

 私たちは、いたずらに市民の税金で裁判を続けることなく、直ちに問題を解決するよう市長に求めています。

職員への抑圧、職場破壊の真の被害者は住民

 橋下市長の地方公務員像は「全体の奉仕者」ではないことは明確です。住民サービス切り捨ての方針にも粛々と従い、住民イジメの行政を担う職員づくりがそのねらいです。

 市民応対のレベルが向上するためには、法律や仕事の内容に精通する専門職員としてのスキルアップが何よりも重要です。

 そのことを阻害する人事政策や職場の体制破壊を改めることが新生大阪市のあるべき方向につながります。

「橋下改革」は何をもたらしたか

【 大阪市労組 第443号-2015年5月27日号より 】

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