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2015年9月28日 (月)

今やるべきことは防災対策!「民営化」じゃない!「市民のつどい」に350名が参加し、大阪の危険度を認識

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9月12日、西区民センターで「防災と都市交通を考えるつどい」が開催され、会場いっぱいの市民が詰めかけ、防災の第一人者、河田惠昭関大教授の講演に聞き入りました。(講演の要旨、文責は市労組)

大阪の災害の「歴史」と「地域性」に学ぶ

 大阪を襲った大きな災害は、1934年の室戸台風、1950年のジェーン台風、そして1961年の第二室戸台風がある。

 室戸台風の上陸は午前8時ごろと登校時間であったため、学校の木造校舎の倒壊により、多くの児童・教員が犠牲になり、大阪では880人が死亡した。高潮も発生し、大阪城付近まで冠水した。

 ジェーン台風は、強風と高潮で船舶に大きな被害と多くの家屋が浸水被害にあった。第二室戸台風では高潮により大阪城の西側はほとんど浸水した。

大阪は埋め立て地「水は昔を忘れない」

 大阪市の高潮被害には、地下水汲み上げによる地盤沈下が大きく影響している。1980年頃からは汲み上げを禁止したが、大阪では海を埋め立てた咲洲や関西空港などは今でも沈下し続けている。梅田はもともとの地名が「埋田」で、海や川を埋め立ててつくった街だ。大阪市では海抜ゼロメートル地帯が広がり、そこに人口の半数の人たちが住んでいる。

 そのため高潮による浸水の被害は大きく、長期に水が引かず、災害の長期化につながる。3つのアーチ形の大水門と400の水門で防いでいるというが、震度6弱でつぶれて、閉まらないことが指摘されている。

大阪を襲う巨大地震と津波の危険

 2050年までには必ず起こると言われている南海トラフ巨大地震では、震度6弱から6強の揺れが3分程度継続し、2時間後には津波が来襲。上町断層帯地震では震度6以上の揺れが続くと予測されている。南海トラフ巨大地震がM8・4からM9・0になれば、波高は2・5mから3・8mになると推定される。

大阪市内の地下鉄路線や地下街は水没!

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大阪市内とその周辺は液状化、100か所からの出火、家屋の倒壊、断水、停電、通信網が長期間断絶され、完全に孤立状態になる。津波は6波、6時間継続するから、6波で約6億㎡以上の海水が流入する。つまり、大阪市内の海抜ゼロメートル地帯は、地下街、地下鉄など地下空間を含めすべて水没する危険がある。水没災害が起これば、6カ月以上、地下鉄、地下空間は使用できず、大阪経済は沈没してしまう。

今やるべきは防災対策が最優先!

 現在、東京メトロでは、防水壁やトンネル内防水ゲートなどに加え、換気塔の壁のかさ上げや壁の厚さを増す改良、駅の出入り口の浸水防止など新たな浸水対策の取り組みを行っているが大阪市では大きく立ち遅れている。

 地下鉄への浸水・水没対策、地下鉄と連絡するキタやミナミなどの地下街・ショッピングモールの地上との出入り口の耐水化を同時に進めること。300以上のビルが地下に繋がっているが、百貨店や銀行など民間のビルを含めた地下通路の耐水化など必要な課題は山積み。安心・安全に対する対策を置き去りにし、「大阪都構想」の議論に貴重な時間を費やしてきた。今、大阪市がやるべきは地下鉄の「民営化」でなく、防災・減災対策に力を注ぐことだ。

今やるべきことは防災対策!「民営化」じゃない!「市民のつどい」に350名が参加し、大阪の危険度を認識

【 大阪市労組 第447号-2015年9月28日号より 】

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