公務員賃金の引き上げが、地域経済の活性化につながる 生計費に基づく賃金を!
大阪市労組・市労組連は10月19日(水)に静岡自治労連執行委員長の林克(かつし)さんを講師に招いて「生計費にもとづく賃金闘争」と題して学習会を開催しました。
アベノミクスにより大企業・富裕層はより富を得ている一方、貧困世帯はどんどん増え、年収200万円以下の人が1140万人を超えるなど、貧富の格差はますます拡大しています。
地域による賃金格差は人口流出につながる
静岡では首都圏との賃金格差が広がっており、静岡からどんどん人口が流出している現状があります。(静岡と神奈川の最低賃金の差は時給123円)。そして公務員賃金も首都圏との格差が広がっていて、静岡県の某市で働いていた20代の職員が東京都特別区への転職をしましたが、転職の理由が「同じような仕事をしても賃金が20%アップするから」というもので、静岡では公務員希望者が減ってきている現状があります。
25歳男性(単身)で最低生計費は?
憲法25条に保障されている「健康で文化的な最低限度の生活(きちんとした生活)」をするためには、25歳男性(単身)で時給1447円、月額25万1490円(税込)、年額301万7880円(税込)が必要だと詳細な調査で明らかにしました(表1)。実際の静岡の最低賃金は時給807円(28.10.1~)で比較すると現在の最低賃金では到底その金額に足りないことが分かります。
また、子どもの教育費がかかる50代の調査では子どもが首都圏の国公立大学に通い下宿する大学生と地元公立高校に通う2人いるという条件で計算をすると、年800万円台の生計費が必要だとの結果が出ています。(表2)
人勧で示されている標準生計費では引きこもりの生活になる!
公務員の賃金も世間では高いと思われているかもしれないが、実際は低い賃金水準となっています。例えば高卒の国家公務員の初任給は14万4600円、時給換算で821円となり、大阪の最低賃金883円と比べても低いことが分かります。
大卒でも17万8700円、時給換算で1015円。現在、最低賃金アップは多くの労働者の強い要求であり、毎年上がってきており、このままでは時給換算で公務員賃金が最賃に追い抜かれることになりかねません。また人勧で示されている標準生活費は、11万5530円で、食料費は1か月で2万5120円、住居関係費は4万5890円にしかならず、まともな生活ができる水準ではありません(表3)。
最低賃金がアップすれば、ほとんどの労働者の賃金水準引き上げにつながるため、大きなとりくみが必要です。
人材確保できない大阪市の賃金削減
大阪市職員の賃金水準は大きく低下し、政令指定都市中最下位という状況になっています。このままでは生活できないと他都市へ人材が流出しています。
とりわけ保育士確保は深刻で、3年間で107人の保育士が確保できず、子どもの入所定数を397人削減するなど、市民サービスに影響を及ぼしています。人材が確保できなければ教育水準・福祉水準などは低下し、市民サービスが低下することは避けられません。若者も子育て層も、定年まで安心して働き続ける賃金水準を要求するとりくみはますます重要です。
公務員賃金の引き上げが、地域経済の活性化につながる 生計費に基づく賃金を!
【 大阪市労組 第458号-2016年10月27日号より 】
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