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2017年6月27日 (火)

【職員基本条例・労使関係条例・政治的活動制限条例】は「忖度」を職員に強制し、市民のしあわせを奪う!

2017062716月14 日、市労組連は「第1回職場実態を告発する学習・報告会」を開催し、河村学弁護士の講演をうけ、「自民党改憲草案」を先取りする「職員基本条例」「労使関係条例」などで職場が壊され市民サービスの破壊がすすんでいる実態を告発しました。

引き続き、大阪市で何が起きているのかを具体的に発信し、市民の生活を守るという自治体本来の役割が発揮される職場・自治体をつくっていく運動をすすめていこうと意思統一をしました。(以下河村弁護士のお話より)

市民がくらし良い街にするために

 市民がしあわせに暮らせる3つの条件は、①市民が経済的・文化的・社会的に豊かであること、②市民が自由を享受して自分の人生を楽しく生活できること、③社会の取り決めが、十分に意見交換して民主的に決められていることです。しかし橋下前市長は労働組合の弱体化を図り、職員が自由に発言する事を抑制しました。市政についての情報発信も統制され、問題点が市民に知らされなくなります。「条例」により職員を強く統制することは、市民が豊かになる条件を奪い、自由・表現を抑制する事につながっています。

橋下前市長「職員は民意を語るな」の狙い

 法律相談の中で市民から「市の職員が実情を聞いてくれない」と聞く事がたくさんあります。「条例」により職員を強く統制することで、職員は行政が決めたルールだけを伝達し、市民からの実情をくみ上げ、何とかしようとする事ができなくなっています。

公務員の労働条件引下げが民間に影響

 今までは、公務員の労働条件は社会の満たされるべき基準で、民間の低いところは公務員並みに引上げようとしてきました。しかし条例で職員が抵抗できなくなり、労働条件が引き下げられ、今やブラック自治体と言われ民間より酷くなっています。特に非正規職員のところで酷い労働条件が蔓延しています。その事が民間の労働者にマイナスの影響を与えています。

 また、自由・表現の問題でいえば、日の丸・君が代の問題で、教職員に起立などを強制していますが、「職員を統制するだけで、保護者や子どもは自由だ」としています。しかし職員が何の抵抗もできず統制され、そういう職員が運営している入学式や卒業式で、子どもや保護者が自由に振舞えるでしょうか。職員を統制する事は市民の自由を奪う事につながります。

条例は判断権限を市長に集中し、職員を統制するもの

 「条例」で職員の自由・権利に対して法律以上の規制をかけ、抽象的・あいまいな文言を多用して、懲戒処分の威嚇のもと、最大限の萎縮効果をもたらしています。

 「政治的行為の制限に関する条例」では、本来、法律は表現・自由・政治的自由とのバランスを取り、「これだけはしてはいけないが、後はしてよい」というものですが、地公法の規定より大きな枠で制限をしています。

 「職員基本条例」では、懲戒の基準を28条以降で規定していますが、加えて86項目に及ぶ禁止事項を特定しています。よく見ると「ひっかけようと思えば、どういう形でもひっかけられるようなもの」です。職員は対象にならない行為でも萎縮し、「やめておこう」という事になります。

 「労使関係条例」では、管理運営事項であっても労働条件にかかわることは団体交渉事項になるのに、条例は一律に交渉をしないとしており、憲法・労働組合法に反しています。便宜供与に関しても便宜供与を求めるのは労使関係の問題であり、団体交渉には当然応じなければなりません。

市民から見た条例の意味

 情報の提供や権力批判などは民主主義社会の基盤であり、市民に身近な職員が市政の実情を公にすることは、市民が市政の実情を知り、市政に対する多面的な見方を確保するためにも必要なことです。職員への統制は、市政に対する異論を封じ、市政の問題点を市民に知らせない結果になります。

 労働組合が全体の利益の代表者として、とりわけ非正規労働者の労働条件や生活に同じ労働者として本気で取り組み、共同を広げていくことが問われています。

【職員基本条例・労使関係条例・政治的活動制限条例】は「忖度」を職員に強制し、市民のしあわせを奪う!

【 大阪市労組 第466号-2017年6月27日号より 】

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