第19回大阪地方自治研集会開催 総合区?特別区?で住民の声が届く行政になるのか?
7月9日(日)、中央区内にて「公共の役割を語り合おう」をテーマに大阪地方自治研究集会が開催されました。集会では森裕之・立命館大学教授から「大阪都構想」再燃の問題点が明確に報告されました。
自治体職員や市民のリレートークでは維新府・市政による市民サービス切り捨てと職場破壊が続く自治体の実態が告発されました。また、民間会社経営者からは「職員基本条例」の問題についても指摘がされました。
副首都推進局は「大阪都構想」の再燃
副首都推進局は住民投票で否決された「大阪都構想」の推進の為に設置された大都市局の復活です。「総合区」と「特別区」の両制度を検討するとしていますが、どちらも合区が前提です。法定協議会が設置されたことを見ても、「特別区」への移行を再度すすめる局となっていると森教授は指摘しています。
「総合区」と「特別区」は全く別物
「総合区」は既存の大阪市を自治体として残したまま、区(行政区)の権限を強化するもので、「特別区」は既存の大阪市を廃止して、いくつかの「従属自治体」(特別区)に分割するものです。「従属」の意味は、政令都市である大阪市が持つ権限や財源(税金)を大阪府が吸い上げ、決定する権限を持つということです。
また、「総合区」は行政区の権限強化のために地方自治法に規定されたもので、「大阪都構想」のような大都市解体を実施させないための制度です。
このように「総合区」「特別区」は、全く異なる制度であり同じ土俵(副首都推進局)で検討することに矛盾があります。
合区を大前提とした「説明」の問題点
さらに副首都推進局は、「総合区制度」とは「政令指定都市において、住民意思を的確に反映し、地域の実情に応じた住民サービスをより身近な区役所で実現するため」、「現在の行政区長の権限を強化させた区制度」と説明しています。しかし、身近な区役所とするならば、24行政区のままで区民の意見を取り入れた総合区とするべきですが、大阪市は住民自治の拡充より効率性を優先させ、合区を前提にし、合区が大阪市の改革の大前提であるかのような「刷り込み」が行われています。
「上」からの統治機構いじりは、住民自治の発展を阻害するもの
住民が求めていないような合区を前提とする総合区や特別区の選択を迫ることは、誤りです。統治機構をもてあそぶのではなく、既存の区政会議をさらに発展させるなど、住民自治の活性化をはかっていくことこそが必要であり、自治体改革には結果・結論だけでなく、過程(プロセス)を大事にした寛容で多様性を重んじるコミュニテイづくりが求められていると話されました。
第19回大阪地方自治研集会開催 総合区?特別区?で住民の声が届く行政になるのか?
【 大阪市労組 第467号-2017年7月27日号より 】
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