「賃金カット」で民間より、年間約13万円も低い 9年連続の異常な「賃金カット」は中止を! ~生活実態を無視した、大阪市人事委員会勧告・報告に抗議する!~
9月29日、大阪市人事委員会は、①月例給について、公民格差(▲0.04%・▲157円)と公民給与がほぼ均衡化しているとして改定を見送る、②特別給(ボーナス)について、0.10月引上げ(現行4.30月↓4.40月)を勧告しました。
公平・中立性を欠く大阪市人事委員会
橋下前市長の介入で、実施されてきた給与額の上下2.5%ずつ、合計5%を公民比較から排除する手法により、4年連続で職員給与ダウンが行われてきましたが、今回は、収集データから異常値を除外する統計学上のスミルノフ・グラブス検定を持ち込み、結果▲0.06%、▲227円のマイナスの要因となりました。
民間比較水準を引き下げるための根拠のない異常な作業の中止を強く求めます。
保育士の賃金引下げ、技能労務職の見直し作業に抗議
市労組は、低い賃金水準が問題となっている民間の保育士との比較によって作成された独自の給料表の改善や技能労務職の大幅な賃下げにつながる民間業種との比較報告の中止を求めてきましたが、責任ある意見が見られません。
勧告は、職員の生活向上だけでなく職員に課せられた自治体職員としての「市民の安心・安全を守る」と言う任務を考慮しないものと言えます。大阪市での人材不足が大きな問題となっている中、勧告・報告が地方自治体の役割を阻害するものとなっています。
偽りの「厳しい財政状況」を前提にした賃金カット
大阪市人事委員会は、「賃金カット」に対して「長期にわたる給与減額措置が職員の執務意欲等に影響を与えることへの強い懸念」「早期に解消されるべき」との意見を述べています。
しかし、一方では大阪市が「市政改革プラン2.0」で主張する方針を前提にした、偽りの「厳しい財政状況」に理解を示す決定的な弱点を抱えています。
大阪市の財政状況は、財政局の今後の財政収支概算(粗い試算)では、「仮定」の「200億円の収支不足」を持ち出して「財政危機」を演出していますが、一般会計決算では「不用地の売却代」「財政調整基金」を収入に含め、28年連続黒字を続け、市債残高は12年連続減り続けています。市当局の偽りの宣伝を真に受け、毅然として「賃金カット」の終結を求めることができないことは「職員の権利擁護機関」としての役割を放棄するものです。
「相対評価」は矛盾だらけ
チームワークが大事な公務職場で「成果主義」「相対評価」はなじみません。「相対評価」の矛盾は年々ひどくなっており、平成28年度では、絶対評価で「期待レベルに達した」とされる3.0以上にもかかわらず、1511人(対象職員の9.0%)が「相対評価」の下位である第4.5区分に区分され、賃金処遇でマイナスとなる結果になっています。評価制度の根本が問われる事態は昨年よりひどくなっています。勧告では、こうした相対評価の矛盾は必然的に発生するものであると指摘する一方で、絶対評価者である所属、各評価者の差異に問題をすり替えています。相対評価による根本的な矛盾は廃止しなければ解決しないことを認めるべきです。
「賃金カット」で民間より、年間約13万円も低い 9年連続の異常な「賃金カット」は中止を! ~生活実態を無視した、大阪市人事委員会勧告・報告に抗議する!~
【 大阪市労組 第470号-2017年10月25日号より 】
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