来年3月末退職者から削減 ~約70万円の「退職金手当削減提案」は到底容認できない、撤回を!~
人事院は、平成29年4月19日に「退職給付額が公務が民間より78.1万円(3.08%)上回っており、水準の見直しをおこなうことが適切」との国家公務員の退職給付についての見解を表明しました。
この表明を受けて政府は、11月17日の閣議決定にて給与改定法案と抱き合わせて退職手当削減法案を決定し、平成30年1月1日実施という無謀な内容を押し付けています。
(市側の提案内容)
現行より▲1.881月、▲約70万円減額
(勤続35年以上の定年退職者の場合)
(同様の割合で勤続年数ごとの支給率を引き下げる)
実施日 平成30年1月1日
(役職毎の調整額は変更せずに、現行の勤続35年以上の定年退職者の支給率49.59月を47.709月まで減額)
「僅か10日間の協議で終了」はあり得ない
総務省は、各自治体に国と同様の退職手当の見直しを実施させるために、法案成立を待つことなく、閣議決定後に条例案を議会に提出するよう通知を出しています。
大阪市は、この通知に従い、一方的に11月20日に市労組連に対して退職手当削減案を提案し、11月末に交渉を終了したいとしています。
しかし、退職手当削減については、この間の交渉の場で何度も問いただしてきたにもかかわらず、全く考え方が示されず、組合員(職員)には知らされなかったものです。職員にとっては「寝耳に水」です。
今年度3月末(1月1日~実施のため)の退職者にも平均約70万円もの退職手当の引き下げが適用されることになり、生活設計を狂わすものです。このような重要な内容を、たった10日程の短期間で協議を終了させたいとの市側の言い分は、労使の協議を軽視するだけでなく、職員の生活を無視したものと言えます。
職員の意見が反映する充分な協議の保障を!
退職手当は、賃金後払いの性格を有し、職員の生活設計からも重要な要素となる、労働条件に関わるものです。今回の市側の提案は、国の指示に合わせるために強引に行われているものであり、職員の生活設計を狂わすだけでなく、働くモチベーションを引き下げ、職場に混乱をもたらすものです。
また、市側は、5年前の▲400万円を超える削減の提案時に早期退職者が続出したことを理由に今回は1月1日実施としていますが、年金支給年齢が延長され、再任用希望の職員が増える中では、理由にならないものです。
年末手当は、0.1月(再任用0.05月)の引き上げ
市側は期末・勤勉手当について11月20日(月)に市労組連に対して人事委員会勧告どおり年間で0.1月分を引き上げ4.30月→4.40月とすると回答しました。0.1月分の引き上げについては、本年度は年末手当の勤勉手当を引き上げ、来年度は、夏季、年末手当の勤勉手当に均等に配分するとしています。
しかし、支給基準日の12月1日までに条例を改正できないため、12月8日支給の年末手当は改定前の月数で実施し、条例可決後1月18日の給料日に改定後の差額0.1月分が支給されます。
勤勉手当への配分は、格差を拡大するものと強く抗議!
市労組連は要求額である3.5月+50000円とは大きくかけ離れており、9年間連続の賃金カットにより疲弊している職員の暮らしを改善させるものにはならないこと、相対評価による成績率支給となっている勤勉手当の引き上げは、職員間の格差をさらに拡大するもので、期末手当へ増額するべきと指摘し、非正規職員への一時金支給と再任用職員への支給増額を強く要請しました。一時金の引き上げを勤勉手当に配分することで、相対評価による年末手当での勤勉手当の格差は、第1区分と第5区分では、0.237月( 現行0.215月)まで拡大することになります。
〔年末手当の支給月数〕
・再任用職員以外
2.225月(期末1.375月+勤勉0.850月、現行)
→2.325月(期末1.375月+勤勉0.950月、改定後)
・再任用職員
1.200月(期末0.800月+勤勉0.400月、現行)
→1.250月(期末0.800月+勤勉0.450月、改定後)
来年3月末退職者から削減 ~約70万円の「退職金手当削減提案」は到底容認できない、撤回を!~
【 大阪市労組 第471号-2017年11月27日号より 】
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