会場整備費1,247億円 地下鉄延伸730億円 万博はカジノ誘致の隠れみの
2025年国際博覧会(万博)が大阪で開催されることが決まりました。マスコミでは地元市民による歓迎の声を取り上げています。一方で、大阪万博がカジノ誘致と一体であることへの懸念が示されています。
70年の万博を振り返って
1970年に大阪で開催された万博は、世紀の祭典として実に入場者数6421万人で大成功したと言われています。上方芸能編集長だった木津川計は、70年万博が10年の期限を迎えた日米安保条約の廃棄を求める運動から国民の目をそらす政府の意図があったと指摘しています。普通、万国博は開催都市名を付けるものです。ところが70年万博は「日本万国博覧会」としたのも、国家の政治的思惑があったというのです。
万博のために無理な地下鉄突貫工事が行われる中、1970年4月8日に北区天神橋6丁目でガス爆発があり、死者79名という空前の被害を引き起こしました。また、『大阪府総合計画(素案)』(1982年)では、「万国博の開催にもかかわらず、大阪は十分な発展をとげることはできなかった」と評価しています。
時代の要請に沿った万博を
さて、次の万博会場は夢洲が予定されています。そのため上下水道や電気などを整備する必要があり、会場整備費だけで1247億円が見込まれています。その費用を国、大阪府と大阪市、経済界が3分の1ずつ負担します。さらに会場へのアクセス鉄道や道路の整備も必要です。地下鉄中央線の夢洲への延伸には730億円かかります。
大阪万博は決まりましたが、カジノ・IR誘致が認められたわけではありません。半年間の「万博が終わり、後にはカジノ賭博場が残った」では、府民や国民の理解は得られません。
愛知万博では、当初の予定地が森林を伐採するために反対の声があがり、決定後に会場が変更されました。「夢洲」での万博開催に反対し、安全な会場と経費を抑えた大阪万博を開催すれば、会場や交通整備の費用を大幅に削減できます。「カジノ万博」という批判もなくなります。市労組は、万博を隠れみのにしたカジノIRの誘致に断固反対します。
会場整備費1,247億円 地下鉄延伸730億円 万博はカジノ誘致の隠れみの
【 大阪市労組 第484号-2018年12月19日号より 】
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