カジノ合法化とギャンブル依存症
わが国の刑法では、賭博(ギャンブル)を禁止しています。しかし、競馬、競艇、競輪、宝くじなどは合法化されています。市税事務所の窓口には、宝くじの宣伝ポスターが張られたこともありました。パチンコも遊戯として合法化されていますが、戦前の娯楽が少なかった時代に遊んで景品を持って帰るといった、古き良き時代はとっくに過ぎ去っています。そんな中、2014年9月、厚生労働省は、成人の約5%、500万人を超える人がギャンブル依存症を疑われる状態にあると、衝撃的な調査結果を公表しました。すでにわが国は、ギャンブル大国です。これ以上のギャンブルを増やさないことが、ギャンブル依存症の一番の対策です。
家族の出かけ先にカジノ
外国と違って、わが国のカジノはIR型(統合型リゾート)です。会議場や、遊園地などのレクリエーション施設、ホテルや飲食施設、ショッピングモールなど娯楽施設と一体で設置されます。つまり、家族で出かけていく先に賭博場があるのです。子どもたちが小さい頃から、賭博への違和感や疑問を持つことなく大人になったときの社会は、不健全に陥る懸念が十分です。
ギャンブルは自己責任か
ギャンブルを原因として、社会生活上の問題を抱えた人は自己責任なのでしょうか。一般には、好きでお金を賭けた結果なのだから自業自得という発想があります。ギャンブル事業者は、危険なサービスと認識しながら売り続けます。一方、ギャンブラーは、その危険性を理解しないまま、安全とはいえないサービスを受けます。ギャンブル事業を容認している社会全体の責任が問われます。
夢洲開発は危険でムダ
大阪では、夢洲にIRとカジノを計画しています。夢洲は現役のゴミ処分場です。しかも、海底の地質そのものが軟弱です。埋め立てには、場所によって液状化を起こしやすい一般土砂・残土を使っています。2014年の大阪府の「南海トラフ地震による液状化可能性の詳細図」では、液状化の可能性が大であると示しています。地盤沈下や液状化が確実視される土地に巨大施設を建設し、運営するのは危険でムダです。
カジノの開業は、「地域の同意」「議会の議決」が必要です。市労組は市民団体とともに夢洲にIRカジノ誘致の危険とムダを周知し、反対の声を広げる活動をすすめます。
カジノ合法化とギャンブル依存症
【 大阪市労組 第485号-2019年1月29日号より 】
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