市人事委員会勧告(報告)作業に関する要請書を提出 ~給与水準の回復や時間管理の徹底でサービス残業・繁忙職場の根絶を求める!~
市労組連は4月26日、9月末頃に予定されている市人事委員会勧告の基礎作業において、首長の不当な介入を受け入れた市独自の調査方法による引き下げ勧告を行わないことや、時間管理が行われていない職場への指導など、中立的機関、労働監督機関としての役割を果たすための勧告作業を行うよう要請しました。
要請にあたっては、給与引き下げにつながる10人以上50人未満の事業所の調査や、技能労務職の民間調査を行わないことを強く求めました。
給与引き下げにつながる市独自の調査方法の中止を!
市人事委員会は、橋下元市長の介入を受け入れ、平成25年度から4年間連続で人事院との共同作業で行う「職種別民間給与実態調査」の収集データの内、給与額の上下2.5%ずつ、合計5%を公民比較から排除する手法を導入する異常な比較作業を行い、平成29年度からは異常値を除外する統計学上のスミルノフ・グラブス検定に変更し、給与を引き下げる要因を作り出しています。結果、毎年マイナス効果が生まれています。
事業規模10人以上50人未満の事業所調査の中止を!
昨年度に引き続き、事業規模10人以上50人未満の事業所の民間調査を実施するとしています。この調査は、人事院や他市の人事委員会では行われておらず、大阪市独自の民間調査となります。比較対象の事業規模が縮小されると、必然的に平均の賃金水準は引き下がります。昨年度は調査データの精度に問題があるとの理由で活用されていませんが、今年度についてはどうなるかわかりません。
人材不足の要因となっている独自給料表の改善を!
保育士・技能労務職については、民間比較できる職種とし、給与実態調査を実施しています。民間保育園は、責任が重いにもかかわらず給与水準が低いため、中高年まで働き続けることができないことが問題となっています。調査により行政職給料表から切り離された保育士給料表は、そうした民間保育園と比較したため、中高年層の比較データがなく、格差の是正に賃金センサスを援用するという異常な報告が行われています。結果として保育所では毎年、保育士の欠員状態が続くという職場体制に重大な影響を与えています。
また、技能労務職については、報告にもとづき、昨年、市側より▲7822円もの大幅引き下げとなる新たな給料表の提案が行われています。この提案は、先送りされていますが、今年度も市人事委員会は、調査を実施するとしており、市側は、調査に基づき再提案を行うことをすすめています。
市人事委員会は「職員の権利擁護機関」「労働監督機関」としての役割を果たせ!
人事院勧告制度は、公務員労働者の労働基本権をはく奪した代償措置だとされていますが、大阪市人事委員会は完全に「職員の権利擁護機関」としての役割を放棄し、限りなく職員の賃金を引き下げようとする維新市政の言いなりになっています。
こうした異常な人事委員会の姿勢のおおもとには、「職員基本条例」の存在があります。「条例」廃止のとりくみも重要になっています。また、労基法の改正により超過勤務の上限規制が規則化され、原則、月45時間、年間360時間以下となっています。市労組連は、市人事委員会に対して、真に中立かつ公正な「職員の権利擁護機関」「労働監督機関」としての役割を果たすよう、引き続き要請を行っていきます。
保育士の労働時間管理について
保育士の労働時間管理について現場の実態を踏まえて、次のような意見が出されました。
大阪市の保育所は早朝、7時半から子どもを受け入れています。保育士の早出の時間は7時半からとなっていますが、その時間に出勤していては子どもたちを安全に迎えることはできません。開錠し、保育室の安全を確認するなどの必要があり、遅くとも30分ぐらい前には出勤しなければなりません。当然労働時間として認められるようにしてください。
市人事委員会勧告(報告)作業に関する要請書を提出 ~給与水準の回復や時間管理の徹底でサービス残業・繁忙職場の根絶を求める!~
【 大阪市労組 第489号-2019年5月28日号より 】
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