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2021年10月18日 (月)

市労組事務所界隈① 角元 博

私は約10年前大阪市天王寺区に宿替えしてきました。玉造筋「下味原交差点」直ぐ傍で近くに「産湯稲荷」があります。上方落語「稲荷俥(いなりぐるま)」にも登場します。

この話は夜俥屋が高津宮で客待ちをしているところに一人の紳士が、産湯までやってくれという。俥屋の梅吉が、あの辺りは狐が出て怖いので勘弁してくれという。そういうくだりのあるような、寂しいところだったそうです。

このあたりは古代からの伝承が多く残る歴史ロマンあふれるエリアです。

かつてこの境内は桃山と称されるほどの桃の名所で、北側には「味原池」という大きな池があり、風光明媚で「産湯楼」という料亭もあり観光スポットだったようで、今は面影すらありませんが。

境内には、味原地区や小橋地区の開拓者「小橋命」が産湯に使った井戸とされる「玉の井」があります。

そもそもこの地は明神大社「比売許曽神社」が鎮座しており、産湯稲荷はその摂社であったとする。天正年間に織田信長による石山本願寺攻めの戦火によって、「比売許曽神社(現東成区東小橋)」もろとも消失されたらしいです。(つづく)

市労組事務所界隈①
【 大阪市労組 第507号-2021年10月号より 】

 

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