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2021年10月18日 (月)

デジタル化で自治権が侵害 標準化システム許されない

デジタル技術は、自治体業務でも住民サービス向上につながります。住所を知られたくないDV(家庭内暴力)の被害者を保護するためにもデジタル技術が有効に活用されています。ところが「デジタル社会の形成」を名目に、国と自治体の情報システムの共同化・集約が進められようとしています。

独自システム不可で住民サービスが後退

各自治体は、住民福祉の増進のために独自の業務システムを構築してきました。それを政府が標準化、統一しようとしています。法律の可決により標準化17業務(※)のシステムは、国の定める標準化基準に合わせなければならないのです。国が地方自治に介入する手がかりを与えることになります。すでに複数の自治体と共同システムを利用しているある町では、「3人の子どもの国保料減免を」との市民要望に対し、町独自にシステムを仕様変更できないので減免はできないと町長が答弁しました。結局、国の「標準化システム」を押し付けることにより、地方税や国保料の独自減免など自治体が持つ自治権が失われます。住民が物事を自ら決める住民自治のプロセスが欠けていきます。

自己決定権の確立こそ

デジタル庁の新設にともない民間企業からIT人材を非常勤の公務員として雇います。新たな官民癒着を生む危険性があります。デジタル化そのものは否定しませんが、自治体がしたくもないデジタル機器の使用を強いられたり、個人情報が勝手に利用され企業が利益を得たりすることは許されません。7月7日、総務省は「自治体デジタルトランスフォーメーション推進手続書」を公表し、全国の自治体に17業務の情報システムを国が示す基準に標準化・共通化するように求めています。しかし、自己決定権やプライバシー権・自己情報コントロール権こそ確立しなければなりません。

※標準化17業務 児童手当 住民基本台帳 選挙人名簿管理 固定資産税 個人住民税 法人住民税 軽自動車税 就学 国民健康保険 国民年金 障害者福祉 後期高齢者医療 介護保険 生活保護 健康管理 児童扶養手当 子ども・子育て支援

デジタル化で自治権が侵害 標準化システム許されない
【 大阪市労組 第507号-2021年10月号より 】

 

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