松井市長 今後不当労働行為は二度と行いません…大阪市労組に誓約文手交

大阪市が、市労組の組合事務所供与に関する団体交渉を拒否してきた問題で2月25日、大阪市による誓約書手交式が行われました。市労組は、大阪市長松井一郎名で「大阪府労委の命令に従い、今後このような行為を繰り返さないようにいたします」との誓約書を受け取りました。
手交式では総務課長より誓約書が手交されました。本来なら松井市長が来て、2度と不当労働行為を行わないと誓約すべきであることを指摘し、今後は正常な労使関係を築き、誠実に団体交渉に応じるよう強く求め、そして誓約書手交ははじめの一歩であると強く訴えました。

大阪地裁も大阪高裁も大阪市の訴えを棄却

大阪市が組合事務所供与にかかる団体交渉（以下「団交」）を拒否したことを、大阪府労働委員会が不当労働行為と認定し、謝罪文の手交、団交に応じるよう命令したことを不服として、大阪市（当時 吉村市長）が命令取消を求めた裁判は、2021年7月29日に大阪地裁で、2022年2月4日に大阪高裁でいずれも大阪市の請求を棄却する判決が出されました。

組合事務所の供与については団体交渉事項

判決では、「労働条件等の団体交渉を円滑に行うための基盤となる労使関係の運営に関する事項は義務的団体交渉事項」「組合事務所は労働組合活動の基盤となるもの」として、組合事務所に関する事項も義務的団交事項に含まれることを認めました。また大阪市が、市労組の申し入れに対して、管理運営事項が含まれるか否か確認しなかったことは、「誠実な使用者の態度として団交可能な事項を確認すべきであったが、これを十分に確認しないまま団交に応じない大阪市の態度は正当な理由のない団交拒否にあたる」と認め、大阪市の団交拒否は労働組合を軽視し、弱体化させる行為であると支配介入性まで認めた判決でした。

市民生活を守る大阪市へ引き続き奮闘

判決後、市労組は記者会見を行い、淀屋橋宣伝や大阪市への要請行動で「上告するな！大阪府労委命令を早期に履行すること」を訴えてきました。その結果、大阪市は最高裁が上告を受理する可能性は低いとの大阪市代理人弁護士の見解を踏まえて上告を断念し、大阪府労委命令が確定し、2月25日の誓約書の手交となったものです。

最後になりましたが、本当に長い間ご支援いただいた皆さんに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
市労組は、憲法で保障された労働基本権が尊重される社会の実現、憲法をくらしにいかし市民生活を守る大阪市になることをめざして引き続き奮闘していきます。

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組合事務所の供与をめぐるたたかい経過

• 2011
  11/27 ダブル選挙、橋下徹氏が市長に当選 職員と労組への攻撃が始まる
• 2012
  1/30 組合事務所の「使用不許可」「退去通告」
  3/14 大阪地裁に「使用不許可処分の取り消しを求める」行政訴訟を提訴
  3/29 府労委に「不当労働行為」救済申し立て
• 2014
  2/20 府労委で勝利 9/19 大阪地裁で勝利
• 2015
  6/26 大阪高裁で逆転敗訴、上告（全国262名の大弁護団）
  10/21 中労委で勝利「 不当労働行為」、誓約文の手交を命じる
  12/15 橋下徹市長名の「今後このような行為を繰り返さない」誓約文を手交
• 2017
  2/1 高裁判決（敗訴）が確定
  　　3月に組合事務所を開け渡す 組合事務所に関しての団交を大阪市が拒否
  9/11 市労委に再度「不当労働行為」救済申し立て
• 2019
  1/28 府労委は不当労働行為、支配介入だとして文書手交を命じた。大阪市は大阪地裁に取り消し訴訟を提起
  
• 2021
  7/29 大阪地裁が棄却、大阪市は控訴
• 2022
  2/4 大阪高裁でも地裁に続き勝利判決
  2/18 大阪市は上告断念し、2019 年の府労委命令が確定

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全国の皆さんの温かいご支援に心から感謝申し上げます。
本当に、長い間ありがとうございました。

大阪市は、誠実に団体交渉に応じると約束しました！
やっと、当たり前の要求、スタートラインに立つことができました。
3月16日 予備交渉を行いました。
3月30日 団体交渉を行います。労働組合にとって組合事務所は欠かすことのできないもの！労働者の権利を守れ！と強く訴えていきたいと思っています。
引き続きご支援宜しくお願い致します。

松井市長　今後不当労働行為は二度と行いません…大阪市労組に誓約文手交
【 大阪市労組　第512号-2022年3月号より 】