定年延長どうなるの
昨年、国家公務員の定年延長について法律が改正されたことで地方公務員法も改正され、定年を65歳まで、2年ごとに1歳ずつ段階的に引き上げることが定められました。1963年(昭和38年)4月2日生まれ以降の職員から定年が引き上げられることになりました。そのため今年度の早い段階での条例改正が求められています。市労組は定年延長は重要な労働条件の変更と考え、より良い制度にするために大阪市と交渉協議を重ねています。質問や切実な声を市労組にお寄せください。このコーナーは皆さんからの質問にこたえるように連載します。
Q1:国の定年延長が決まりました。地方公務員もそうなるのですね。
A1:地方公務員の定年は「国の職員に月定められている定年を基準とし、条例で定められて」います。私たちの定年は条例で「60歳」となっています。今回、国家公務員の定年が65歳になったことから、大阪市も65歳に今後引き上げられます。
Q2:なぜ、定年がひきあげられるのですか
A2:1990年代に年金制度が改悪され、支給開始年齢が段階的に引き上げられたことによります。お金に余裕がある人は別として、働かないと生活できません。そのため、定年制が65歳に引き上げられたのです。
Q3:定年の延長は条例で決められるのであれば、議会が決めるのではないですか?
A3:確かにそうですが、定年延長は重要な労働条件の変更です。そのため、例規の改正に当たっては労使合意が必要です。市労組は「定年引上げについては重要な労働条件であり、労使交渉・事務折衝を尽くし、労使合意に基づいて早期に条例改正をすること」を申し入れています。
Q4:体力がいる仕事は65歳まで働けるか心配です。
A4:例えば、保育士さんやごみ収集に従事する職員など、65歳まで働くのが体力的に厳しい職種については国会でも議論になりました。総務省も「配置上の工夫などの条件整備、職員の健康および福祉を考慮した勤務条件の確保など、各団体の実情と個々の職員の能力適正に応じ、職務の設定や具体の人員配置を行っていくことになる」と答弁しています。但し、具体的なことは各自治体にゆだねられています。そのため、労使交渉が重要です。
Q5:60歳を超えたら、給料が7割ぐらいになるとニュースで聞きましたが、どうなんですか
A5:下がると決まったわけではありません。民間では60歳を超えたら給料は7割と国は言っていますが、根拠はありません。
人事院の令和2年の調査では定年を引き上げた事業所のうち、一定の年齢に到達したから給与を減額したかというと、課長級で62%の事業所が減額せず、非管理職では64% の事業所が減額していません。給与は減額しないのが多数派です。また、給与を減額していても給与水準は課長職でも非管理職でも77%と7割を超えて、8割に近いのが実態と判明しました。給与を7割にする根拠はありません。
Q6:60歳をこえて給料が下がったら退職金も減るのですか
A6:そんなことはないです。労使交渉の時に確認が必要です。
退職手当の算出には退職時の基本給を算定基礎においていますが、これはまずいとので、「ピーク時特例」を適応すると人事院は説明しています。
Q7:定年が伸びた時、今の再任用短時間制のようにせめて週4日勤務にはならないですか。
A7:可能だと考えられます。定年延長に当たって「定年前再任用短時間勤務職員」という制度が作れることになりましたので、労使交渉で制度化をさせるということが大事です。
定年延長どうなるの
【 大阪市労組 第514号-2022年5月号より 】
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