生活保護基準引き下げ違憲訴訟 許せない 大阪高裁で不当判決
4月14日大阪高等裁判所で生活保護基準引下げ違憲訴訟の判決があり、傍聴しました。裁判は多くのマスコミが取材に来ており、また、傍聴も抽選となり裁判への関心の高さがうかがえました。
開廷後、すぐに判決が裁判長から読み上げられました。
判決は、厚労大臣に健康で文化的な最低限度の生活の具体化にかかる広範な裁量を認め、専門的知見と整合性に関する審査については、違法となる場合を「確立した専門的知見との矛盾が認められる場合」に限定してしまいました。本判決は被告である国の主張をそのまま丸のみし、「一定の合理性がある」としました。これまでの生活保護費の基準については大臣のみの判断だけでなく厚労省の保護基準部会で一定の判断をしてきたことが否定されることとなり、これからの基準についても大きな問題を残すことになりました。
さらにリーマンショック後の生活苦について「生活保護利用者だけでなく国民の多くが感じた苦痛と同質のもの」と切り捨てました。ギリギリの生活を強いられている利用者にたいして思いやりのひとかけらもない言葉に大きな憤りを感じました。
今、軍拡を理由に社会保障が切り捨てられようとしています。本判決もその大きな波にのまれた気がします。当然ですが、最高裁への上告が予定されます。朝日訴訟のような大きな運動が求められると思いました。
生活保護基準引き下げ違憲訴訟 許せない 大阪高裁で不当判決
【 大阪市労組 第524号-2023年4月号より 】
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