健康保険証の廃止は撤回せよ
来年秋に健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに一体化する改正ナイナンバー法が成立しました。マイナカードの取得は、本人の任意です。健康保険に加入する被保険者に保険証を届けるのは義務です。その義務を放棄するのです。国民皆保険制度を揺るがしかねません。
マイナカードを持たない人には、「資格確認書」を発行しますが、本人からの申請が必要です。しかも有効期間があり、更新手続きが必要です。
別人の医療情報は命に関わる問題
マイナカードに別人の保険情報が登録されていた事例が、厚生労働省によると7300件以上になっています。別人の医療情報がひも付けられた保険証で診療を行って、投薬を誤ったり、治療を誤ったりすれば命に関わります。
マイナ保険証で「無効」「該当資格なし」と表示されたため、窓口で10割請求されたトラブルが起こっています。岸田首相は10割負担問題の対応として、資格確認ができなくてもマイナカードに記載された氏名・生年月日の情報に基づき、患者が窓口で自己負担分だけ支払えるようマニュアルを改定したと発言しました。しかし、自己負担分だけ支払った患者が後に無保険だったと分かった場合、医療機関に未収が出て医療崩壊も懸念されます。
保険証廃止に反対54%
テレビ朝日系ANNの世論調査では、現在の健康保険証を廃止してマイナカードに一体化することに「反対」が54.1%、「賛成」が34.9%でした。マイナンバーをめぐる問題が噴出する中で「マイナンバーの利用拡大に不安を感じるか」の質問に「感じる」は76.3%でした。
ところが政府はマイナカードの利用を税・災害・社会保障の3分野に限定していたものを範囲拡大のため次期マイナカードを2026年に導入することを6月9日閣議決定ました。とんでもありません。今からでも遅くありません。世論無視の保険証廃止は撤回すべきです。
健康保険証の廃止は撤回せよ
【 大阪市労組 第526号-2023年6月号より 】
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