市労組事務所界隈18 角元 博
恋人の聖地
大阪市役所を北へ徒歩約5分の所にお初天神があります。正式名称は「露天神社」といい、元禄16年(1703年)境内で実際にあった心中事件を題材に、近松門左衛門が人形浄瑠璃「曽根崎心中」書き、そのヒロイン「お初」にちなみ「お初天神」と呼ばれるようになりました。
「曽根崎心中」は、元禄16年4月7日に起こった、堂島新地天満屋遊女「お初」と内本町平野屋の手代「徳兵衛」がこの神社「天神の森」にて心中した事件をもとに、近松門左衛門が劇化したものです。この作品は当時の人々の間で大評判となり、参詣回向かの老若男女が大勢押しかけたと言われています。
今では、「恋人の聖地」として有名で、休みの日となれば、若いカップルや、女性の参拝者など一杯で、「恋愛成就」の絵馬が本殿前などに沢山掛けられています。
その一方、拝殿前の石柱には「昭和20年6月福島駅・大開周辺を爆撃した後、大阪駅を超えて来襲した米軍マスタングP51他による機銃掃射弾痕」と記されています。戦争の爪痕で知る人は少ないと思いますが、二度と戦争のない平和な世の中であると同時に、「恋人の聖地」であり続きますよう願うばかりです。
市労組事務所界隈18 角元 博
【 大阪市労組 第527号-2023年7月号より 】
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