4月6日から衆議院本会議で審議入りした「共謀罪」法案、政府与党は国会会期中の6月18日までの法案成立を目指しています。安倍首相は『3年後に東京五輪・パラリンピックをひかえ、テロ対策に万全を期すことが開催国の責務』と主張しています。しかし共謀罪は、2003年以降3度にわたり国会へ提出され、すべて廃案となったもの、「テロ等準備罪」と名前だけ変えて提案していますが、本質は同じです。
Q、東京オリンピック・パラリンピック開催のために必要。「テロの防止のため」というけれど、ほんと?
A、「共謀罪」の1条の目的にテロという言葉はなく、277の対象犯罪のどれもテロとの関連は不明です。日本は既に、テロ関係の条約を13本も批准していますし、それに関連する法律もいっぱいあります。もともと「国際組織犯罪防止条例」に批准するためといいますが、すでに187か国がこの条例を批准し、新たに共謀罪を新設した国はノルウェーとブルガリアの2か国だけです。また条例は日本国内のテロ防止対策ではなく、国際的なテロリストたちの資金調達やマネーロンダリングやマフィア対策を目的にしているものです。
Q、普通の人たちには関係ないし、適用されない法律じゃないんですか?
A、犯罪を目的にして作られた団体であることを自らが、明らかにしている集団はありません。「組織的犯罪集団」であるかどうかは捜査機関の判断に委ねられています。「計画、準備行為が処罰の対象」になり、「内心を処罰する」ものです。もともと適法な普通の市民団体や労働組合でも、犯罪を共謀したと捜査当局に判断されれば、組織的犯罪集団と認定されて、共謀罪の対象になります。
Q、現在でもテロなどの組織犯罪は十分に取り締まれるのに、新たに「共謀罪」を作る目的は?
A、それは、捜査機関が合法的に市民生活を監視できるようにするところにあります。戦前の治安維持法は「戦争に反対」という考えを持っただけで逮捕されました。共謀罪はこの治安維持法と同じ法律です。「犯罪を計画した」と捜査機関が判断するには、盗聴やスパイ活動、密告などが証拠になります。「共謀罪」の目的は憲法改悪であり、「戦争する国づくり」です。
共謀罪は本当に必要?よく考えてみましょう!
【 大阪市労組 第464号-2017年4月26日号より 】
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